鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

頭の整理ができた感じ:読書録「グレートカンパニー」

・グレートカンパニー 優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件
著者:リッチ・カールガード 訳:野津智子
出版:ダイヤモンド社(Kindle版)

グレートカンパニー――優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件

グレートカンパニー――優れた経営者が数字よりも大切にしている5つの条件



私が勤めてる会社が目指すのは「a Good Company」。
このことについてはグループ会社の経営陣から「十分、Good Companyなんだから、Great Companyを掲げるべき」という意見もあったと聞いてます。ま、「Goodでは十分じゃない。生き残るにはGreatであるべき」って言説を最近はソコココで聞きますからね。わからなくもありません。
ただ(社長がどう思ってるかはともかくW)、個人的には「Good Company」はよく考えられていると思っています。


確かに世の中に変革をもたらすような会社は「Great Company」ですし、我々の会社も目指すべきはそういう会社でしょう。(そういう会社じゃないと生き残りが厳しくなる流れもあります)
そのことは十分に認識しつつ、考えなきゃいけないのは我々が「保険会社」だってこと。
「Great Company」という言葉のニュアンスにはどうしても「革新的」という印象があります。「革新的」であることは非常に重要なのですが、一方でそこには「不安定性」という印象もあるんじゃないでしょうか?
「安心」を提供するのが保険会社の使命である以上、保険会社には「安定」や「永続性」が求められます。
自らに対して「革新的」であることを求めながらも、社会的には「安定性」を約す。
そういう観点から「Good Company」というスタンスは絶妙なんじゃないか。
というのが僕の捉え方です。
あくまで「個人的」ですけどねw。


とはいえ、我々が目指すべき本質的な方向性には「革新性」は重要ですし、その観点からは「Great Company」を目指すべきってのも当然のスタンスでしょう。
そういう考えもあって、本書を読んでみました。


本書で作者は会社の要素として、
ハードエッジ:システムやプロセス
戦略的基盤:会社の戦略的方向性
ソフトエッジ:会社における人間的価値観やしなやかな強さ
のバランスをあげています。
この「力の三角形」がバランスよく成立していることが重要なのですが、軽視されがちなのが「ソフトエッジ」。しかし「グレートカンパニー」にはこの3要素が必ず備わっていることから、軽視されがちな「ソフトエッジ」について論じたのが本書、ということになります。
(「ソフトエッジ」で「グレートカンパニー」が成立してるってわけじゃないんですよね。ま、「組織」(ハードエッジ)や、「ビジネスモデル、経営戦略」(戦略的基盤)がなかったり弱かったら、そもそもビジネスが成立しませんから、こりゃ当たり前の話)


副題の「5つの条件」は
信頼
「知性」
チーム
テイスト
ストーリー
これらの一つ一つについて具体例をあげながら内容や意義について論じています。
最近のビジネス書でよく掲げられてる視点がも多いので、「意外性」はあまりないんですが、こういう要素を抽出し、それを「ソフトエッジ」とまとめたところがミソでしょうか。
実際、頭の整理にはなったと思います。
(「知性」の部分はちょっと常識とは違うかな?(だから「 」がついているのかも)
いわゆる「知識」や「論理性」じゃなくて、「やり遂げる力」「しぶとさ」みたいなのをここでは「知性」としてあげてるんですよ。
納得っちゃあ、納得ですがW)


社会環境が激しく、早く変革しつつある中で、会社やビジネスに求められるものもドンドン変わってきている印象があります。
ベースとなる部分(ハードエッジ、戦略的基盤)をシッカリと固めつつも、社会や人間と向き合うべき部分(ソフトエッジ)を重視し、そこから「ベースtなる部分」へのフィードバックを柔軟に、不断に行うことができるような会社とする。
それが「グレートカンパニー」であり、我々の目指すべき「Good Company」なのではないか、と考えた次第。


結構難しそうですがね〜w。