鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「暗殺者グレイマン」

・暗殺者グレイマン 
著者:マーク・グリーニー 訳:伏見威蕃
出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)

暗殺者グレイマン (ハヤカワ文庫 NV)

暗殺者グレイマン (ハヤカワ文庫 NV)


どっかで良い評判を聞いて、Amazonの「ほしいものリスト」に入れていたのを、電車移動中に読む本としてDL。
身を隠すのが巧みで、「グレイマン」(人目につかない男)と呼ばれる元CIA特殊活動部員(マ、一言で言えば「暗殺担当」)が、「罠」にはまりながら、超人的な能力で窮地を脱し、「敵」を倒す姿を描いています。
「超人的」なのは間違いないんですが、次から次に襲ってくる「敵」に、ドンドン傷つけられ、ヘロヘロになりながらも突っ走る、疾走感あふれた作品になっています。
評判通りの面白さでしたね。



趣味が分かれるのは主人公の「信条」でしょうか?
この主人公、「暗殺」に関しては伝説的なプロフェッショナルで、非情に敵を倒していくわけですが、その根本には「正義」の心があるんですよ。
その「正義」が主人公を駆り立てるとともに、追い詰めをする。
ここを、
「陰影に富む、複雑なキャラクター造形」
と読むか、
「ご都合主義の薄っぺらなキャラ」
と読むかで、だいぶ評価は分かれます。
僕はどちらかと言えば「後者」w。
したがってここは「減点ポイント」になっています。


もっともこの「正義」が本作の「推進力」になってるのも確かです。
「正義」で整理をつかないと、色々な「ごたく」やら「設定」「展開」を考えなきゃいけなくなって、その説明で作品の疾走感が減じられる可能性があります。
それに主人公に感情移入するのも、「善悪定かでない」よりは、「心の中は正義の人」の方が移入しやすいですわな。
所詮は「暗殺者」なんだけどさ。



このシリーズ、まだ続いていて、続編の評判もなかなかのようです。
とすると、ここら辺の設定も納得のいくものになってきているか、あるいは「マクガフィン」として確立して来ているかw。
いずれにしても、機会を見て、続きを読もうとは思っています。



どこまで付き合えるかは、何とも言えませんがw。