鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「おとなの教養」

・おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?
著者:池上彰
出版:NHK出版新書



「教養を身につけるためには、どうすればよいか?」
「この手の本を読まないこと」



自己啓発絡みの冗談で良く言われることですが、まあ本書についても同じようなことは言えるかなぁ、と(笑)。
「教養」の基本は「古典」にあるという点からも。



自分自身を振り返って、正統的な「教養」の不足は痛感してますが、今更それをつけ刃で身につける気はありません。
本書を読んだのは。
「さて『50』間近になって、僕の『教養』の程度はどんなもんかいな」
と確認してみたくなったからです。
最近、ライフネットの出口氏の作品を読んで、教養あるビジネスマンのレベルの高さに打ちのめされたってのもあるもので(笑)。



ただ、さすが「池上彰」氏。
凡庸な「教養解説書」(「とにかく古典を!」とかね)とは異なって、自ら現代に相応しい「教養」科目を整備し、提示してくれます。



「宗教」
「宇宙」
「人類の旅路」
「人間と病気」
「経済学」
「歴史」
「日本と日本人」


古典的リベラルアーツが「文法」「修辞学」「論理学」「算術」「幾何学」「天文学」「音楽」になるわけだから、池上氏の選択はナカナカ大胆です。
それでいて納得感がある内容となってるのがサスガですね。
「現代」における教養という視点から良く考えられたチョイスだと思います。(「現代」にフィットしすぎないという点においても。
「役に立つものは、すぐに役に立たなくなる」
ってのは出口氏の言だったかな?)
もっとも「音楽」あたりはあっても面白いと思うし、「算術」「幾何学」あたりの代替として「IT」を入れて欲しかった気もしますがね。



じゃ、本書に照らして、僕の「教養」の具合はどうだったか?



まあ、全く分からん・・・ってことはないですね、さすがに。
でもここまで広範囲に分かりやすく整理は・・・ってところに自分の限界も感じます。



「勉強」に終わりはないってことでしょうか。
(しんどいこってす)