鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

後味のいい映画です。「甘い」けどw。:映画評「人生、ブラボー!」

登場人物たちはフランス語で喋ってるんですが、カナダ映画なんですね。
「ケベック」ってのは、こんな風に普通にフランス語が喋られてるんだ・・・ってのがちょっとした「驚き」ではありました。
作品に政治性は(多分)ほとんどないんですが。




「人生、ブラボー!」



どうしようもない主人公ですが、人はスゴくいい。
だから(振り回されながらも)周りの人間は彼のことをどこかで許している。
そんな主人公が過去の自分の行為の結果に直面して・・・って話。
「過去の行為」ってのは、「お金欲しさに精子を売った」ってことで、その結果、「500名」を越える「子供」(生物学上の)を持ってしまい、そのうちの140名くらいから「父親探し」のために訴えられているというのが主人公が直面する「トラブル」。
その「お金欲しさ」ってのも、死にかけていた母親のために工面したものだったりして、根本のところでは主人公の「善人性」の証明になってたりします。
彼を捜す子供達も(問題は抱えながらも)基本的には真っすぐで、誠実で・・・悪い人間は基本的には前面に出てこない作品です。
だから「後味がいい」。
でも「甘いなぁ」・・・とも思う訳ですね。



まあでも作品としてのバランスはこれくらいがいいのかもしれませんね。
「事実」だったら、コレは結構ヘビーな話になりかねないし。障がい者の息子の話はその片鱗を見せたということかもしれません。
そこを「善人物語」に仕立てることで限りなくファンタジーに近い物語にして、その中で「親子」「家族」の性善説的な絆を表現する。
これはこれで「あり」じゃないかと。
主人公のキャラが、この絶妙なバランスを支えてくれています。



原題は主人公が精子を売る際に使っていた偽名の「スターバック」。
邦題はヒドいもんだと思いますが、観終わると「まあ、いいか」って感じにもなります。
言いたいことは、そんなところですからw。
この「甘さ」が気になる人はいると思いますが、僕はナカナカの「佳作」じゃないかと思ってますよ。