鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ジョブズと11人の証言」

・Steve Jobs Special ジョブズと11人の証言
著者:NHKスペシャル取材班
出版:講談社(電子書籍)



ジョブズが亡くなって1年。
新しいiPhone(5)も発売されて、何だかずいぶん昔のことのようだ。
「忘れた」んじゃない。
彼が与えたインパクトが「当たり前」になって来ているのだ。
それこそジョブズにとっては「してやったり」だろうねw。



本書はジョブズの死の直後に作成されたNHKの番組(僕も見た)のためのインタビューを、ほぼ全文収めたものらしい。
番組の編集上カットされたものをまとまった形で収録してて、なかなか興味深い。
番組やジョブズの伝記で多くのアウトラインは提示されてるんで驚くようなことはないけど、このタイミングで読むには結構相応しい作品のような気がするよ。



でも改めて思うのはiPhone5のMap問題。
本書を読むと、ジョブズだったら絶対に起こさなかった失敗だということが改めて痛感される。
クックの謝罪は驚きだったけど、それはクックがそのことをよく分かってるからだろうね。
調整型のクックは、販売スケジュールや製作サイドの意見なんかを調整して「GO」を出しちゃった…てなとこじゃない?
コレはジョブズが絶対にやらなかったこと。
そのことに気付いたからこそ、「謝罪」をした、と。



クックがどこまでiPhone5を使いこなしてるのかは分からないけど、ジョブズほどじゃなかった。
それがあからさまになった事件でもあったね。



まあジョブズはジョブズ。
クックはクックでしかない。
だからコレからどう挽回するか、そこにクックのお手並みを見たいと僕は思っている。
製品そのものの完成度が高いのは確かだしさ。



ジョブズのアイデアってのはまだまだ残ってるって話もあるけど、最早ジョブズが新しい最高の製品を僕らに届けてくれることはないのだってことを、iPhone5のドタバタは再確認させてくれたとも言えるかな。
そのタイミングで本書を読むってのも、なかなかいいんじゃないか、と。
読み終えて、次のステップに踏み出したことを噛みしめるためにも、ね。