鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ビジネスマンのための『人物力』養成講座」

・ビジネスマンのための「人物力」養成講座
著者:小宮一慶
出版:ディスカヴァー携書(電子書籍)



小宮氏による「ビジネスマンのための養成講座」シリーズも何冊目になるのやらw。
初期の「数字力 」や「発見力」は具体的でかつ「スキル」的な色彩が強く、「使える」って感じだったけど、最近は「自己啓発本」の傾向が強くなりすぎてる感もあるかなぁ。
つまり根本の作者の「哲学」に共感できるかどうかがポイントになるというか…。
本書もその系列の作品。



まあだから「合う/合わない」はあると思うよ。
「論語」や「老子」に共感して、松下幸之助や盛田昭夫あたりを尊敬する ビジネスマンにはツボにはまる。
ホリエモンや小沢一郎を支持する層には古臭く読めるかも。
ジョブズなんかも作者は感心しないかな?


僕自身は「人物」と言う意味では作者とは感覚を共有出来ると思う。
ここで描かれる人物像には憧れを感じるし、そう言う意味では、本書で挙げられるチェックポイントや示唆は「自戒」も込めて参考になるところが少なくなかったよ。
「目新しいことはない」
とも言えるけど、だからって実行出来てる訳じゃないしw、折に触れて気づきを与えてくれるのが自己啓発本の効用だからね。


一方で本書のようなスタンスが、時に保守的になり過ぎたために、思考停止を生んでしまう危険性にも敏感でありたいと思う。
「変わるべきではないものもある」
ってのは確かだけど、未来はいつだって「不知」だ。
あらかじめ「変わるべきではない何か」 を特定することはできない。
恐るべきは「決めつけによる思考停止」。
コレである。


一読に十分値する本だと思うよ。
その上で、自分で考えて行動を選択する。
要はコレだね。
自分にとっての「答え」は本の中にはそのままではありえない。
豊富なサジェスション は得られるにせよ、ね。