鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「いつだって大変な時代」

・いつだって大変な時代
著者:堀井憲一郎
出版:講談社現代新書



神足裕司氏がくも膜下出血で療養中となり、その後キラキラの火曜日の コメンテーター代役を務めているのが、作者の堀井憲一郎氏。
その番組内で紹介された新作がコレなんだよね。
(どんだけキラキラ史観で僕は動いてるのやらw)



話のポイントは「自意識過剰」と「自己愛」。



現代人は自己愛が肥大化しており、そのため自分を特別視することが常態化している。
だから自分がいる時代はいつだって「大変な時代」なのだ。



…てな感じかな?
その具体例があれやこれや挙げられてる訳だけど、こう言うのって言ってみれば個人や社会の精神状態に言及する話でもある。
そう言うのって割と面倒な話になりがちで、本書にもそう言う傾向はあるかなーw。
文章は平易で分かりやすくはあるんだけど、提示される概念がね。
少なくとも文章のわりには読み飛ばしにくい内容だと思うよ。


まあ本書が特徴的なのは、内容よりタイミングってトコもあるけどね。
時系列に連載をまとめた本書は、途中で震災を挟む構成となっている。
大震災(作者はコダワリを持って「東北大震災」と称する)と言う大惨事を前に、この内容で作者はどう言うスタンスを取るのか?
ホントの読みどころはここら辺かも。
「身体性」を掲げ、引かない作者の姿勢は大したものだワ。



僕自身は作者のスタンスに100%賛成って訳じゃない。
身体性にこだわり過ぎるとミニマリズムの罠に陥って、無気力感に囚われてしまうような気もするんだよね。
面倒臭がりだからさ、僕もw。


一方でこう言う見方が社会の抗い難い流れに竿を指すってのもあるんだろうとは思うよ。
そう言う視点で言うと、実にサブカルっぽい作品とも言えるかなw。
だから、時に立ち止まって自分自身を見直す。
そう言う時に必要な視点なんだろうと。


読むのチョット面倒だけどねw。