鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

色々参考になります。:読書録「はじめの一歩を踏み出そう」

・成功する人たちの起業術 はじめの一歩を踏み出そう
著者:マイケル・E・ガーバー 訳:原田喜浩
出版:世界文化社

はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術

はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術


金曜日にオブザーブ参加させていただいた業界団体のセミナーで紹介された本。
スゴく刺激を受けたんで、その場でAmazonで注文しちゃいました。(講師の本も注文したんですが、そちらの入手は少し遅れそうです)
別に「起業」を考えてる訳じゃないんですけどねw。
僕がお世話になっている方たちは「スモールビジネス」を営んでいる方が多いので(だからこその「セミナー」です)、その「お手伝い」を考える上で参考になると考えたのと、エッセンスそのものは僕自身の仕事にも通じるところがあるなと思うところがあったのが「刺激」の理由です。


「GOAL!」とか、アメリカのビジネス書に良くある「物語仕立て」が本書には持ち込まれています。
最初の版はこの「物語形式」はなかったようなんですが、「パイ屋」を経営している「サラ」と著者との対話形式が盛り込まれていることで、とっつき易くて読みやすくなってると思います。「付け足し」だったため、「物語」のパートが少なくなってる感はありますが、そのことで理論的部分をしっかり読むことができて、頭の中で整理しやすくなってるようにも感じます。
ま、僕の場合、先に「セミナー」を受けて、アウトラインの説明を一度受けてるから、ってのもあるかもしれませんがねw。


後半の具体的なステップの説明も参考になるんですが、インパクトがあるのはやはり前半部分。
事業を立ち上げるものには「起業家」「マネージャー」「職人」の三つの人格があるってとこですね。
得てして「職人」的視点から起業してしまうところから事業が大きくなるにつれて「破綻」が生じることとなるのに対して、「事業」を継続し、成長させていくためには、この三つの人格をバランスよくコントロールしなければいけないこと、中でも「起業家」の部分が「経営」においては重要になる。
ここです。
そのために自分の「人生」と「事業」を切り分け、自分の「人生の目標」は何なのかを突き詰め、それを達成するための「手段」として「事業」を位置づけ直すこと。
「経営理念」や「夢」「目標」を語ることの重要性はよく言われるところですが、「人生」と「事業」を切り分けるという視点には「気付き」を得た思いです。


中盤では「事業」の「仕組み化」についてが、「フランチャイズ」を参照しながら論じられます。
売るのは「商品」ではなく「事業」
って視点は確かに「フランチャイズ的」視点ですが、「人生」と「事業」を切り分けた上で考えると、「事業」の本質的な部分がここにはあるようにも感じられます。
アメリカですと、「事業売却」が目的になりがちですし、作者の視点もそこにあるんですが、これを「会社の継続」「後継者への譲渡し」って考えると、存外日本の中小企業にも通じるところがあるんじゃないですかね。
「サービス業」の場合、特にこの指摘は重要でしょう。


後半の「事業発展プログラム」なんかは、もちろん「スモールビジネス」の「事業化」に使える内容ですが、そこに止まらない内容を含んでいるか、と。
少なくとも僕にとっては参考になるところが結構ありました。
もちろん、「そのまま」ってわけには行けませんが、それは他も同じですからねw。


色々と「使い手」もありそうな視点を提示してくれているので、ちょっと使わせてもらおうかなぁと思ってるところです。
講師の本が来たらそれも参考にさせてもらいながら。
なかなか面白い「出会い」でした。