鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「スティーブ・ジョブズ」

・スティーブ・ジョブズ ちくま評伝シリーズ<ポルトレ>
編集:筑摩書房編集部
出版:筑摩書房

ちくま評伝シリーズ〈ポルトレ〉スティーブ・ジョブズ

ちくま評伝シリーズ〈ポルトレ〉スティーブ・ジョブズ



iPhone6・iPhone6Plusが発売されて、
「スティーブ・ジョブズがいたら・・・」
って声がソコココで聞かれます。
僕自身、iPhone6Plusを入手していますが、その気持ちはよく分かります。同時に、
「それを言っても仕方がない」
とも思いますがね。



「スティーブ・ジョブズ」の不在を改めて認識し、この機にもう一度「ジョブズ」の功績を総括しておきたいと思って読んだのが本書。
ホントは ウォルター・アイザックソン の書いた評伝を再読するのがベストなんでしょうが、ちょっとボリュームがありすぎて・・・。
で、最近発刊されているちくまの評伝シリーズからチョイスしました。
ちょうど子供達のために「何か偉人伝のいいのはないかな」と思ってたんですよね。いくつか評判のシリーズはあるんですが、やっぱりこういうのは新しいほうが良いのではないかと思って。
その「試し」として買ってみたというのもあります。



シリーズとしては中高向け。まだ息子(小4)には早いかなぁ。
でもまあ、ちょっと背伸びしがちなところはあるから、丁度いいかもしれません。本棚に置いておいて、読む気になって手に取ってくれれば、それはそれで良いかな、と。
「スティーブ・ジョブズ」の伝記が彼らの興味を引くかどうかは何とも言えませんが。



内容としては幅広い資料から要領よくまとめた感じですね。焦点は「アップル復帰後」の「成功物語」ではなく、立ち上げまでの苦労譚が中心になっています。(ここら辺は、子供向けの伝記としては「教育効果」を考えて・・・ってトコもあるのかもしれません)
加えて、PCが世界に与えたインパクトや、ジョブズの厳しい性格(っつうか、「やなヤツ」ぶり)、新しいジャンルを生み出すジョブズの考え方なんかにも言及していて、単なる「事績を追うだけの伝記」とは違う色合いがあって、結構読み応えはありました。
「ジョブズの伝記」というよりは、「Appleが世界にもたらしたもの」って感じかもしれませんが、それはそれで「正解」のように思いますね。ジョブズの存在意義はソコにこそありますから。



一人の人間を一言で要約するなんてことは出来ません。ましてジョブズのように様々な製品を生み出し、社会にも同世代人にも強いインパクトを与え続けてきた人については尚更です。
ただその「不在」を痛感して思うのは、
「ジョブズってのは究極のユーザーだったんだな」
ってこと。
その「ユーザー」目線からは、あのSiriやMapの登場時の完成度の低さはなかったでしょうね。
このiPhone6/6Plus、AppleWatchも・・・って言うのは「神のみぞ知る」。
ま、「推測」はできますが。



さて、読み終えた本を子供達の本棚に置いておきます。
読んでくれるかな?