鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「中村伊知哉の『新世紀ITビジネス進化論』」

・中村伊知哉の「新世紀ITビジネス進化論」
著者:中村伊知哉
出版:ディスカヴァー携書(電子書籍)



iPhoneにDLして、年末から連休明けまで、隙間時間にチョコチョコ読んだ。
まあ隙間時間の活用ってのは電子書籍のメリットの一つだと思うんだけど、さすがにこんなに期間をかけて読むと、全体像が分かりにくくなっちゃうねw。
改めて目次をチェックして、記憶を呼び起こす必要があったよ。



政府の審議会なんかにも参画している作者が、日本のITについて論じ、それぞれの分野の一人者(多分)にインタビューすると言うスタイル。
元々はラジオ番組だったのを起こしたらしく、非常に分かりやすい内容になっている。


・通信と放送の融合
・ソーシャルメディカル
・デジタルサイネージ
・デジタル教科書
・クールジャパン(コンテンツ )


って項目建ては、IT社会を考える上で、まあ妥当だと思うけど、本書の特徴は「日本目線」なこと。
この手の話だと、結構「日本はダメだ」「ガラパゴスが…」みたいな話になりがちなんだけど、(そういう側面は認めながら)本書のスタンスは「いや、日本にも可能性はある」「しっかりとした土壌は醸成されている」ってもの。
日本の優位性も指摘されていて、読んでて明るい気持ちになるのは良かったよ。
(確かに女子高生があんなに携帯メール打ちまくるってのは、日本ならではだよなw)


個人的には「デジタルサイネージ」や「デジタル教科書」の項なんか、興味深く読めたね。
ITネットワークが新たな可能性を拓く方向性がここには秘められてるような気がした。


ただこうした新たな方向性を追求するには社会、具体的には法律や規制の変更が必要にもなる。
作者は政府とも繋がりがあるから、その点にも意識的だと思うが、果たして今の政権にどこまで…って懸念もあるなぁ。
こう言うのって復興とも絡めて大胆な取り組みをすれば面白いと思うんだけど、ナカナカそこらへんがねぇ。
もちろん民間が主体となるべきではあるんだけどさ。


まあでもこう言う前向きなのはイイな。
明るい気分になれるもんね。
そのポジティブなスタンスからこそ未来は生まれ出ることが出来る。
もしかしたら一番大切なのソコかもしれない。