・隠蔽捜査11 分水
著者:今野敏
出版:新潮社

隠蔽捜査シリーズ第11作。
相変わらず安定した面白さです。
今回は「政治」「メディア」「組織」の三つ巴で、竜崎の“原理原則”が試される回でした。
(ChatGPT)
作品概要
警察小説「隠蔽捜査」シリーズ第11作。合理主義でブレない警察官僚・竜崎伸也が、“忖度”や政治の力学で歪む捜査の現場に立たされ、事件の真相と組織の正しさを同時に追うタイプの社会派ミステリー。今回は舞台が鎌倉署管内で、相手が女性スキャンダル渦中の大物政治家という、めんどくささ満点の案件。
あらすじ
鎌倉署管内で不審火が起きる。燃えたのは、週刊誌に追われる大物政治家の自宅だった。
ところが捜査は最初から素直に進まない。竜崎のライバルである八島や所轄側の“権力者への忖度”が、通常の捜査手順をねじ曲げていく。
そんな中、事態は殺人事件へ発展。さらに社会派ユーチューバーまで絡み、情報と世論が荒れて捜査は難航する。――この「政治」「メディア」「組織防衛」の三つ巴の中で、竜崎がどう戦うのかが焦点になる。

今回の話のポイントは、政治家に忖度する周りの警察官たちと、原理原則を貫く竜崎との対比って感じですかね。
原理原則と言いながら、決して正義感を押し付けるわけじゃなくて、柔軟にも対応するってあたりが竜崎の良いところです。
その竜崎が、政治家親子の父親のほう、与党の重鎮政治家とはなんとなく気が合うっていうのもありそうな話だし、わからなくもないかなっていう展開になっています。
このシリーズ、警察官としての正義を貫くために竜崎が偉くなっていくっていう物語なのかと思ってたんですけれども、本作ではそこまで上を目指してるわけじゃないっていうようなところが描かれています。
例えば警察庁長官とかね。
現場における正義が完遂できればそれでいい、そのためのポジションが欲しい
まあそれくらいのイメージです。
いや、そこはトップを目指してほしいなとも思うんですが、このペースだとそこまで書けるとはちょっと思えないですからね。
もう一つは家族のこと。
いろいろいろいろある家族ですが、なんとなく落ち着いている現状。
その中で、子供たちの独立や、地方への転勤、あるいは定年、そんなことに少し竜崎は思いを馳せます。
そのことが題名の「分水」に重なる、そんな感じでしょうか。
このシリーズ、妻も読んでるんですが、家族との関係における竜崎のことは好きになれない、とのこと。
まあ家事も子供のことも奥さんに投げっぱなしですからね。
分からんでも…
って、妻は僕より先に一気読みしてましたがw。
こうなると次は、地方の方に転勤とかになるんですかね。
うーん、警察庁・警視庁でガリガリ警察官僚としてやってほしいっていう気持ちもあるんですけど。
ま、どうあれ、また次を楽しみにさせていただきたいと思います。
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