・真説 豊臣兄弟とその一族
著者:呉座勇一
出版:幻冬舎新書(Kindle版)

今年の大河ドラマの『豊臣兄弟!』の副読本として読んでみた本です。
まあ、なかなか面白かったんですけど、大河ドラマの副読本としてはどうかな。
あんまり豊臣秀長のパートは多くないんですよね。
(ChatGPT)
『真説 豊臣兄弟とその一族』(呉座勇一/幻冬舎新書、2025年11月27日発売)は、豊臣秀吉・秀長兄弟と、その周辺(ねね・淀殿・秀次など)をめぐる「通説」や「定番イメージ」を、最新研究・史料の読み直しで点検し直すタイプの歴史ノンフィクションです。中心の問いはズバリ、「なぜ天下を極めたのに、豊臣家は“たった二代”で滅んだのか?」
• 第1章:秀吉「天下取り」の実像(出自/出世街道/天下人への道)
• 第2章:豊臣一門の「裏の顔」(人たらし像/秀長像/秀次暴君説)
• 第3章:秀吉の妻子(高台院=ねね/淀殿/秀吉の子どもたち)
• 第4章:豊臣家、終焉の謎(朝鮮出兵/関ヶ原後/大坂の陣)
• 終章:なぜ栄え、滅びたのか(中国大返しの転機/織田政権の後継/侵略戦争を止められたか/一門衆の乏しさ/直臣の自立化/生存ルートはあったか 等)

それに秀吉や秀長に関しては、見新しい話もそれほどないし。
人たらしと言われる秀吉が、実際には結構冷酷で残酷なところがあった、っていうあたりは今では割と知られていることじゃないかとも思います。
そういう意味では『どうする家康』のムロツヨシがやった秀吉は、結構そういう線を出してたような気がします。
温厚な人物だった秀長についても、冷酷な統治者としての顔があった、っていうあたりはあまり知らないことだったかな。
本としての面白さは、例えば、北政所(きたのまんどころ)と淀君(よどぎみ)が対立していたのではなく、連携しながら豊臣政権を支えようとしていた、なんてあたり、戦国の女性たちのしたたかさみたいなものが見えてきて、こういうところがドラマになると面白いなとは思いました。
でもまあ、二人がそうやって走り回るのって秀長が死んだ後ですからw。
今回の大河ドラマにはあまり関係ないかな。
関ヶ原から大坂の陣の流れなんかも、通説から考えると「オッ」と思われるところもあるけれど、割と歴史好きの人には知られている内容が整理されてるっていう感じですかね。
大坂の陣は家康が豊臣家を追い込んだという風に言われているけれど、実際のところはそこまでのつもりは家康にはなかったんじゃないか、なんてあたりもその一つです。
秀吉が行っていた朝鮮出兵が、かなり早い段階から天下統一後の余剰労働者対策として考えられていた、なんてあたりも知る人ぞ知る、なのかな。
まあこういう戦乱の後の余剰労働力をどうするかっていうのはなかなか難しいところです。
例えば、明治維新の後の西南戦争なんていうのも、西郷隆盛の思惑はともかくとして、ある意味武士に引導を渡した戦いであったという風にも位置づけることができると思います。
そういう観点からいうと、対外膨張で「労働力対策」をやろうとした秀吉が失敗したのに対して、家康は大坂の陣で浪人たちを集めて一掃することでうまくその点を乗り切った、という見方もできなくはないのかもしれません。
これもまあ、本人たちがどこまで意識的だったかどうかはともかくとして。
整理されているので読みやすいし、一読に値する本だと思います。
でも、大河ドラマの副読本としてはどうかな、っていう感じ。
いや、そもそもまだ今年の大河ドラマを見ることも自分自身決めてないんですけどねw。
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