鈴麻呂日記

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高邁な思想が自分たちを幸せにするとは限らない:読書録「汝、暗君を愛せよ2」

・汝、暗君を愛せよ2
著者:本条謙太郎
出版:ドリコム(Kindle版)

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思想でチートする転生モノと言う珍しいパターンのラノべの第二作。
チートすればするほど主人公の胃が痛くなる展開が続きます。


(ChatGPT)
作品概要
『汝、暗君を愛せよ』第2巻は、本条謙太郎による異世界転生×政治劇シリーズの続編で、財政難と階級対立に揺れる小国サンテネリ王国を舞台にした長編ファンタジーです。
お飾り社長だった男が若き国王グロワス13世として転生し、チート能力ではなく地道な交渉や制度設計によって国家の行方を左右していくという、「政治」と「責任」を真正面から描くのが特徴の巻です。


あらすじ
治世四年目、グロワス13世は国内の権力構造を組み替える「大回廊の勅令」を準備し、長年の根回しの集大成として成立を目指す。ところが貴族たちの抵抗と周辺列強の思惑が絡み合い、勅令は土壇場で否決され、王の改革路線は大きく挫折してしまう。
内外からの圧力が増す中、王は妃たちや側近、思想家たちとの対話を通じて、「元社長のぼく」としてではなく、ひとりの「王」として生きる覚悟を固めていく——第2巻は、グロワス13世が自分の中の逃げ道を閉ざし、本物の統治者へと変わっていく過程を描いている。

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第一作では絶対王政成立前の国王を担う重圧に耐えかねて思想的チートを使って有力貴族の連合体であった国家を中央集権化し、同時に王権を貴族の合議制に移行して立憲君主制への流れに乗せようとする主人公の苦闘と、それに伴って周りの人間が感化されて行く流れが描かれていました。
まあその過程で 4人の妃を娶ることになるちょっとしたハーレム的展開もあったんですが、まあメインの方は思想でチートしながら政治をやっていくという話ですね。


今作では周りの有力貴族を納得させて、何とか合議制に持ち込もうとしたところで、本来権力を譲渡されるはずの貴族から反対をされてしまって、狼狽えるところから話が始まります。
その過程で暗躍する他の強力な国家の存在を察知して、いよいよ外交にも大きく踏み出さざるを得なく…というのが第二作目の展開。
その流れと並行して、自由・平等思想の萌芽にも気がつき、そこに種を巻いてまくというシーンもあります。


主人公自身は自分の妃への愛情も感じるようになっており、彼女たちを幸せにしようと考えている。
一方で、自分の動きが本当に彼女たちを幸せにするのかということに対する疑念も持ちつつあり。色々な重みの中で四苦八苦し、胃を痛めていくという流れになります。
そしてついには子供が生まれるその過程において一つの諦観にたどり着くというのが 2作目のラストです。


まあ一番面白いのは自由・平等主義のとの絡みのところですかね。
これはもう明らかに余計な種を巻いちゃってるんだけれども、本人的にはそれが一番、自分の心情に合致する思想だったりするっていうところがなかなか興味深いところです。
どうなるんですかねぇ。
とりあえず合議制には持ち込めたので、 1つの結論には達してるんですけれども、ここから先どういう展開になるのか。
どうも 3巻の発売も決まっているようですから、続きも楽しめそうです。
まああんまりハッピーならすとじゃないような気はしますけどね。
いや、それはまあ考え方にもよるかな。


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