・考察する若者たち
著者:三宅香帆
出版:PHP新書

「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」で一躍有名になった批評家・書評家「三宅香帆」さんの新作。
前作は発表した書評をまとめたみたいな本でしたが(それはそれで面白かった)、本作は連載論考をまとめたものになっています。
興味深い内容でした。
いまの世評や子供達の考え方を知るという観点で手にとったんですが、予想より考えさせられました。
結構自分もそういう方向に行ってるなってのもあって。
(ChatGPT)
概要
三宅香帆『考察する若者たち』は、映画や漫画を楽しんだあとに「考察」や「答え合わせ」に向かう現代の鑑賞スタイルを手がかりに、令和の価値観と情報環境の変化を読み解く本だ。作品を味わう「批評」より、伏線回収や作者の意図に収束する「考察」が強くなる背景には、報われにくい社会で“正解”を得ることで安心したい気分や、SNS・プラットフォームが正解探索を加速させる構造がある。コンテンツの流行(推し、転生、界隈など)を並べつつ、私たちの判断や幸福感が「最適化」と「正解」に寄りすぎていないかを問い直す。
主張ポイント
•「批評=解釈を増やす」より「考察=正解へ収束」が優位になっている
•その背後に、若者を中心とした“報われたい/安心したい”という心理がある
•SNSや検索・推薦などのプラットフォームが、正解志向を強化する(最短で結論に行かせる)
•推し・転生・界隈などのトレンドは、現代の生存戦略(所属・再起・確実性)を映す
•だからこそ「正解の回収」だけで終わらず、自分の言葉で味わう余白(批評性)を取り戻そう、という提案になっている

って、頭っからチャッピーに概要をまとめてもらうのはどうよって話でもあるんですがw(「正解を求める」流れの一つとしてChatGPT(ジビる)が取り上げられています)、まあ便利なんですよ。
便利なもんは使わんとね〜なんですが、その考え方が徐々に自分自身の人格や考え方に影響を及ぼしてきてるってのは確かにあるかも…です。
60歳を過ぎちゃったんで、今更それを努力して揺り戻さんでもええやろと思ったりもするんですが、子供達とか後の世代には、
「もっと面白い見方や考え方だってあるよ」
と言いたくなる気持ちもわからんでもないかな。
作者のスタンスもそんな感じです。(「考察」を否定してはいない)
それが「批評」になるんですが、確かにいま、「批評」って流行らない…というか批評家ってあんまり見なくなった気がします。
個人的には東浩紀さん?内田樹さんもそうか。
お二人とも活動はされておられるし、僕自身も作品を時々読んだりはしてるんですけど、社会への影響っていう点でいうとあんまり大きくないんじゃないかなぁ。
僕がそういうムーブメントに気づいてないだけなのかもしれないですけど。
(東さんは意識してアクションをされてますね)
まあ「批評家」って偉そうに見えるところがあって、そういうところが敬遠されてるってのもあるかもしれませんがね。
「正解」を言ってるわけじゃないんだけど(それが「批評」なので)、あまりにも偉そうなんで主張を押し付けられてるように感じられる。
にもかかわらず言ってることが難しくって、なんか自分がばかにされてるような気分にもなる。
…違う?
僕はちょっとそんな風に感じるとこ、あったかなw。
ネットによって情報量が格段に増え、検索や生成AIでその情報を入手しやすくなった。(生成AIはわかりやすく説明までしてくれる)
そうなってくると、「批評」ってもののあり方も変わってこなきゃいけなくなるってのはあるかもしれません。
三宅さんや東さんはその意識があるんじゃないかと思います。
まあ、僕自身はプラットフォームが整理してくれる情報を活用させてもらいながらも、「批評」(意見や感想)を個人的に楽しませてもらうって感じで行くんでしょうね。
子供達は…う〜ん、どうだろ?
彼らは彼らなりにやっては行くんでしょう。
口出すことでもないしw。
でも三宅さんのような考え方がそういう世代にも伝わるといいのにな、とは思います。
そう思って三宅さんも頑張ってるんだろうし。
「本」という形式でそれがどれだけ力を持つのか
…ってのは、また別の課題ではありますがね。
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