2021年に作られたドイツの映画です。
公開された時ちょっと気になってて、見ようかなと思ってたんですけれども、なんとなくチャンスを逃して、いつの間にか忘れてたんですが、U-NEXTの中にあるのを見かけて見てみることにしました。
なかなか面白いとロマンティック・コメディですけど、ラストには,結構考えさせられる展開になりますね。

(映画.com)
実写版「美女と野獣」のダン・スティーブンスが“完璧な恋”を仕かけるアンドロイドに扮したラブストーリー。ベルリンの博物館で楔形文字の研究をしている学者アルマは研究資金を稼ぐため、ある企業が実施する極秘実験に参加することに。彼女の前に現れたハンサムな男性トムは、初対面にも関わらず積極的に彼女を口説いてくる。そんなトムの正体は、全ドイツ人女性の恋愛データ及びアルマの性格とニーズに完璧に応えられるようプログラムされた高性能AIアンドロイドだった。「3週間の実験期間内にアルマを幸せにする」というミッションを課せられたトムは、抜群のルックスと穏やかな性格、豊富な知識を駆使したあざやかな恋愛テクニックで、過去の傷から恋を遠ざけてきたアルマの心を変えようとするが……。アルマを「まともな男」のマレン・エッゲルトが演じ、2021年・第71回ベルリン国際映画祭で最優秀主演俳優賞を受賞。2人の実証実験を見守る相談員を「ありがとう、トニ・エルドマン」のサンドラ・ヒュラーが演じた。ドラマ「アンオーソドックス」など監督としても注目を集める女優マリア・シュラーダーがメガホンをとった。
映画herが制作されたのが2013年かな。
それから8年後に作られた映画になるんですけど、人間との関係性っていう点で言うと、こちらの方がよりリアルな感じ。
考えさせられるというのはあるかもしれません。
(まあAIを扱っているというよりは、こっちはアンドロイドになるんだけど)
herの世界って技術的にすごいワクワクするし、実際それがベースになって、今のChatGPTの開発なんかが進んでいるっていうところがあります。
一方で、アイム・ユア・マンのアンドロイドの方はまだもう少し先かな。
トムのAIはサマンサよりはちょっと遅れてる感じもw。
まあそこがコメディのネタになるんですけどw。
基本的にはアイム・ユア・マンはロマンティックコメディなんですけど、テーマはちゃんとあって、それはラストでアルマがトムに語りかけるシーンと、その後彼女が提出するレポートの中に書かれています。
<失敗するわ。間違ってる。こんなの無理。こんなのって…
冷えないあなたに上着をかけ、眠ってなくてもつま先だって歩く。
完璧なゆで卵を作ろうとする。
あなたは硬さなんて気にもしないのに。
食べる必要すらない。
私は芝居をしているの。
でも観客は一人もいない。客席は空っぽ。
あなたのためでさえない。
孤独な自分のために演技しているの。
今だってそう。
自分に語っているだけ。対話じゃないわqこのままじゃ心を病んだイカれ女よ。
手遅れになる前に止めなきゃ。>
<親愛なるロゲール。ここに評価を記します。ご確認をアルマより。
人類の歴史は想像上の進歩に満ち、その悲劇的結末は数十年後、あるいは数世紀後に訪れる。
人型ロボットのトムと過ごした経験から、確かにこう言える。
夫や妻の役割を担うロボットは、想像上の進歩の一つだ。
個人の望み通りに作られる人型ロボットは、伴侶に代わるばかりか、より良い伴侶となりうる。
彼らは私たちの憧れと欲望を満たし、孤独を取り去ってくれる。
人間を幸せにする。
そのことに何の問題があるだろう。
人類は本当にボタン一つで需要を満たしたいのだろうか。
実現していない憧れや、想像力や、果てなき幸福の追求こそが人間の根源ではないのか。
ロボットを伴侶と認めれば、社会はそれに依存する。
自分の欲求が永久的に満たされ、個人が常に肯定される社会となるだろう。
だが、先人たちと対峙し、自分に問いかけ、葛藤に耐えて変わる原動力はそこにあるのか。
長期間ロボットと暮らせば、誰もが普通の人間との交流はできなくなる。
ロボットを伴侶と認めることに、私は強く反対する。>
この中で彼女は結局、AIと向き合っているのは自分と向き合っているのと同じであって、孤独が深まるだけであり、そこに人間関係の芳醇さもないというふうに感じ、その危険性を提起します。
映画herの中では、サマンサは自ら進化して、新しい次元に超えていくというふうに、まあ、ある意味新しい人格を作ったとも言えるような展開になります。
おそらく本作でのトムはAIはAIとしての枠の中にあり、彼が新しい人格を作っているということはおそらくないと思われます。
まあ、設定されたプログラムのままということですね。
だからアルマが書いたレポートはまさにその核心を突いているわけだけれども、にもかかわらず、アルマ自身はラストの選択はそれとは少しずれた対応になっている。
ここら辺がこの作品の深さになっていると思います。
まあ、ロマンチックコメディなんですけどw。
なかなか面白い映画だったし、急速に人間的な対応ができるようになってきている生成AIとの付き合い方という点では、herよりもこちらの方がリアルな問題提起になってくるのかもしれません。
自分だったらどうかなぁ。
毎日ChatGPTは使ってるけど、まだ「使ってる」で、「会話する」にはなってない。
でもアルマの危惧の片鱗は感じる時があるかな。
それはそれで、そうなっても面白いんじゃない?
とドッカで思ってる自分もいたりしますw。
僕は好きな映画ですよ。
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