・覚悟 新・競馬シリーズ
著者:フェリックス・フランシス 訳:加賀山卓朗
出版:文春文庫(Kindle版)

ディック・フランシスの息子さんが書き続けている競馬シリーズが新たに翻訳で出版されることになったようです。
もともとディック・フランシスが書いてるの頃から奥さんや息子さんの力を借りて作品を書いてるっていうのは有名でしたし、晩年には息子さんとの共著にもなってたような記憶があります。
競馬シリーズは結構一時期のめり込んでたんですが、後半になって足が遠のいちゃったんで、あまり記憶はないんですけど。
本作は、かつての僕のヒーロー「シッド・ハレー」の復帰ということで読んでみることにしました。
ハレーが登場する作品は全部読んでるはずなんですけど「利腕」のインパクトが強すぎて、後半の2冊の記憶は、遠い山の彼方なんですけどねw。
(Amazon)
本の概要
伝説の名シリーズ、復活。
英国スリラーの誇り高き正統。
ミステリー史に残るヒーローとともに〈新・競馬シリーズ〉の幕が開く。
落馬事故で左手を失った元騎手シッド・ハレー。その不屈の意志で競馬界最高の調査員として名を馳せた彼は、6年前に命がけの仕事から引退し、現在は妻子とともに平穏な生活を送っていた。
だが競馬界の重鎮スチュアート卿から不正の疑惑のあるレースが頻発しているという相談を受ける。調査依頼を固辞したハレーだったが、翌朝、卿は変死を遂げた。自分は依頼を断るべきではなかったのか――? スチュワート卿の遺志を継ぎ、ハレーは卑劣な敵のひそむ闇に敢然と踏む込んでゆく。だが調査を阻止しようとする敵の魔手は彼の身辺に及ぶ……。名作『大穴』『利腕』『敵手』『再起』に登場した名キャラクター、シッド・ハレー登場。
英国スリラーを代表する伝説の名作、〈競馬シリーズ〉。日本でも著名人や作家はじめ多くの読者に愛されたディック・フランシスの名シリーズが、長らく執筆の協力を務めてきたフェリックス・フランシスの手でよみがえる。〈新・競馬シリーズ〉、ここに始動。
小説としては普通に面白かったですね。
「利腕」ではハレーが恐怖心を自尊心で克服していくシーンが感動的に描かれていましたけど、本作では結婚して子供も持ち大切なものを持つようになったハレーが、それら大切なものを奪おうとする脅迫に対してどういう風に対処し、一線を超えるかどうかで逡巡する姿が描かれています。
こういう観念的というか、哲学的なテーマに晴れは向いていますし、そこのところをよくわかってフェリックス・フランシス物語をうまく積み上げていると思います。
幼児虐待を脅迫に使うあたり、時代的なアップデートもちゃんとされてますし。
…なんだけど、読んでる僕はあんまり乗り切れなかったんですよね。
なんだろうなぁ。
時代がそういうところからずれてきてるっていうのはあるかもしれません。
僕が歳をとったっていうのも確かにあるでしょうね。
もしこういう局面に追い込まれた時どうすべきか
と言う点では、決して古びたテーマじゃないとは思うんですけど、その対処方法がマッチョすぎるって言うことかなぁ。
もしかしたらハレーじゃないキャラクターを使ったほうがよかったような気もします。
よくもあるかもハレーだったら、この難局も乗り切るだろうって思っちゃいますし、ダークサイドに落とす事は無いだろうなって言う当たりもついちゃいますからね。
やるならそこまでやるべきテーマだとは思いましたけど。
新・競馬シリーズは今後も翻訳が出るようですし、その中にはシッド・ハレーの新作もあるようです。
正直、読むかどうかはわからないです。
面白くないわけじゃないんだけどなぁ。
でも読むなら他の本を優先しちゃいそうな気がします。
ちょっと寂しいけどさ。
覚悟
シッド・ハーレー
競馬シリーズ