・ChatGPTを使い尽くす!深津式プロンプト読本
著者:深津貴之、岩元直久
出版:日経BP(Kindle版)
深津さんはChatGPTが発表されて、かなり早い段階から効果的なプロンプトについて積極的に発信をしてこられた方です。
1番有名なのは「役割を設定する」ってとこかな?
本書は、そういった蓄積を踏まえて、ChatGPTの特徴や弱点を踏まえた上で効果的なプロンプトをどういう風に組み上げるか、さらには個人・組織においてChatGPTをどういう風にして活用していけばいいかについてまとめた作品です
もちろん、ChatGPTが生産性を上げるのに役に立つと言うスタンスに立っているんですけれども、逆に言えばChatGPTの「限界」を明らかにしてると思います。
ある程度の縛りを入れてプロンプトを作ることが効果的だって言うわけですからね。
喋るのと同じように「自然言語」で何でも結果を出すことができる…と言うわけじゃないことを指摘してるとも言えますから。
第1章 はじめに:ChatGPTに触れてみよう
第2章 ChatGPTと生成AIの基本理解
第3章 ビジネスシナリオでのChatGPT(基礎)
第4章 プロンプトの力を引き出す
第5章 ビジネスシナリオでのChatGPT
第6章 カスタマイズしたChatGPTを作る
第7章 リスクの認識と管理
第8章 組織での活用とさらなる応用
深津さんは、本書の中でChatGPTの本質を何度も以下のように述べていらっしゃいます。
<ChatGPTは確率で続きを書く機械>
<ChatGPTとは、手前の文章に合わせて、確率的に続きの文章を書いてくれる機械>
これはChatGPTの本質を提示するのに簡潔でかなり的確な定義だと思います。
そして、この本質を踏まえた上で
「どうやったら、正確性の高い文章を確率的に導くことができるのか」
と言うことを考えてとをプロンプト構成するというのが、深津さんの基本的な考え方です。
その1つの手法が「役割を設定する」と言うやり方になるんですけど、それは本質的じゃなくて、質問を投げかけるにあたって、いろいろな前提をいろいろなやり方で取り込むことによって、確度の高い答えを導き出すというのが基本的な考えです。
だから、質問を投げかけて一発で答えをもらう…と言うのじゃなくて、何度もやりとりをする中で必要な回答を求めていくと言うやり方になります。
ChatGPTとチャットを繰り返すということですねw。
そのためには何度も何度もやりとりをしなきゃいけないので、回数に制限のある無料版では十分な成果を得ることができず、有料版の利用を深津さんは推奨しています。
ChatGPTが本当に生産性を上げることに寄与できるのかどうか
僕自身は十分な確信を持てていません。
まぁうまく使えば生産性は上がると思いますよ。
そういう意味で本書で紹介されてるようなやり方を身に付けると言うのは十分に役に立つことだと思います。
ただまぁ個人の生産性を上げるにとどまらず、組織として生産性を上げていく上において、どこまで汎用性のある使い方をできるのかどうかと言う点は何とも言えないなぁというのが正直な思いです。
やっぱりハルシネーションの問題は大きいですからね。今のところ。
そこに至るには、もうちょっと時間がかかるんじゃないかなぁ…というのが僕の感想
わからないですけどw。
あっという間に世の中で普通に使えるようになってるかもしれません。
まぁ僕個人としてはChatGPTとやりとりをするのは結構楽しいので、深津さんのやり方なんかも頭に入れながらいろいろ試行錯誤してみたいと思っています。
画像生成AIなんかを使ってると、いかにプロンプトの中で解像度の高い投げかけをするのが重要かっていうのがよくわかります。
解像度の高い問いかけをできるっていうのは、問いかける人間自体がある程度の知識やスキルを持ってるって言う事でもあるんですよね
生成AIを使いこなすために人間の側が成長していかなければならない。
そんな話かもしれません。
まぁそれならそれでいいか…ってことかもしれませんがw。
読書感想文
ChatGPTを使い尽くす深津式プロンプト読本
深津貴之