鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「パク・セロイ」の呪い:ドラマ評「梨泰院クラス」

「愛の不時着」と並んで、Netflix公開で上位を走る韓国ドラマ「梨泰院クラス」。

ようやく観ました。

「愛の不時着」の沼に思いの外、長く浸かってたので、手を出すのに躊躇してたんですが、見始めたら、こちらも一気でしたw。

ストーリーとしては「愛の不時着」よりもよくできてるかも…。

 


<以下、若干ネタバレを含みますので、ご覧になる予定の方は読まないでください>

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ただ僕個人としては「愛の不時着」ほどはハマらなかったかなぁ。

ストーリー展開には熱くなったし、主人公たちにも十分魅了されました。

でも「愛の不時着」ほど、登場人物たちに「愛しさ」を感じるとこまでは行かなかったと言いますか…。

っつうか、「そりゃ<愛の不時着>にハマりすぎやろ」って話なんですがねw。

(ユン・セリ。好きなんですよ〜)

 


十数年にわたる「復讐&成り上がり」物語なんで、色々な枝葉もあるんですが、メインとなるのは以下の二点。

 


①主人公(パク・セロイ)のチャン・デヒ(韓国の外食企業No.1のトップ)に対する復讐譚

②主人公をめぐる、幼なじみ(オ・スア)と仲間(チェ・イソ)との三角関係

 


この復讐譚の方は、本当にお見事。

そもそもの発端、息子のケンカに頭を突っ込んだチャン・デヒが、「私情」に従って主人公を不幸のどん底に突き落としたところから始まり、ラスト、「私情」を戦いに持ち込んだことで決定的に敗北する流れ(その象徴がパク・セロイの「土下座」を巡るシチュエーションです)。

チャン・デヒへの最後の声掛けとあわせ、ここの見事さはグッと来ます。

 


一方の三角関係。

こっちは、僕個人としては「いやぁ、どうでもいいなぁ」とw。

もっと言うなら「十数年も宙ぶらりんにして、そりゃアカンやろ!」。

決着自身は「まあ、こうだよね〜」なんですが、だったらもう少し早く…。

 


考えてみたら、チャン・デヒも、オ・ソアも、チェ・イソも、パク・セロイの「信念」に十数年間振り回されちゃったとも言えなくもない。

そしてエピローグに見られる「パク・セロイ」の笑顔には、彼自身もまた、そこに縛られ、そこから解放されたとも…。

つまり壮大なパク・セロイの「呪い」を巡る物語でもあったのではないか…ってまあ、そんな斜めに見る必要は全然ないんですがw。

素直に見れば、スッキリ、面白く、時に感動しながら観れるドラマなんですから。

(仲間の一人のトランスジェンダーを巡るエピソードは、本当に感動的でした)

 


まあ、観終わって、

「人気出るのも分かるわ」

ってトコです。

楽曲も格好いいんですよね。

 


…と言いながら、多分次に見直すのは「愛の不時着」の方w。