鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「歴史」と「経験」が人を変え、人を作っていく:読書録「猫を棄てる」

・猫を棄てる 父親について語るとき

著者:村上春樹

出版:文藝春秋

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「文藝春秋」誌に掲載されたときに読んでるんですよね。

基本的に感想はその時とそうは変わらないかな?

 

<僕たちは「時代」と「場所」に縛られている。>
http://aso4045.hatenablog.com/entry/2019/05/10/173456

 


台湾の漫画家・高研さんの挿絵が、

「昭和っぽいノスタルジー、あるなぁ」

くらい。

 


作品としては父親との関係を描いてはいるんだけど、より深くは「第二次世界大戦」の経験が「父親」の人間性をどう形作ったかを推測するという面が多くなってます。

それが具体的にどうであったかは、最後まで「推察」するしかないんだけど…。

 


ただこのタイミングで読むと、今こそまさに「歴史」の影を感じる思いもするし、それを受けて「一滴の雨水」がその影響を強く受けているようにも感じます。

その末に、この社会がどういう「集合的な何か」に置き換わっていくのか…。

 


いや、そんな大袈裟なことにはなって欲しくないんですけどねぇ…。