・一切なりゆき〜樹木希林のことば〜
著者:樹木希林
出版:文春新書
先日亡くなった樹木希林さんの言葉を集めた作品。
ガンにかかって以降、なんとなく「いい人」扱いになってきて、亡くなられた時には「人徳者」っぽい雰囲気に…。
いやぁ、そんな人やった~?
「ジュリ~」、お化けのロック/林檎殺人事件、「それなりに」で、
久世光彦の不倫を暴露し、なによりアノ「内田裕也」との波乱万丈結婚生活…
同時代を過ごした者にとっては、
「変人」枠
のキャラだったはず…
ガンにかかって以降、特に「欲」がなくなってきて、何やら清貧っぽい言動になったあたりが転機かなぁ。
「死」というものを悲劇的に捉えず、淡々と向き合う姿にも、感じるものはあります。
…が。
やっぱ、「変人」ですよ、この人。
本書で語られてるエピソードを読んでも、
「友達にはなりたくないな~」
ご家族は大変だったろうなと思ってたら、最後の内田也哉子さんの弔辞あたりに、それが滲み出てます。
まあでも、何だかんだあっても内田裕也と夫婦であり続け(別居だけどw)、なにやら勝手に良い感じの老夫婦になってるあたり、それはそれでスゴいなぁ~とも。
樹木希林さんの考え方には同意できないことも少なからずありますが(戦闘力の高い一匹狼のくせに、古風な昭和感覚もあるっちゅう…w)、老後や死に対する対峙の仕方には感じるものもあります。
<それは依存よ>
だから隣のおばちゃんの戯れ言を聞き流すくらいの気分で読むのが良いんじゃないか、と。