鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

まあ、「当たり前」っちゃあ、「当たり前」ですが:読書録「組織を動かす無敵のチカラ」

・ミッションリーダーシップ 組織を動かす無敵のチカラ
著者:岩本仁
出版:小学館Kindle版)


少し前に読んだ記事に「ミッションリーダーシップ」のことがチョット紹介されて、それで興味を覚えてDLしてみた作品。
ちょうど人材育成がらみのプレゼン資料を作ってるタイミングでもあったもんでw。


「ゲリラ」や「テロリズム」に、時に「多国籍軍」を組織して対抗しなければならない現代軍隊において活用される「ミッションリーダーシップ」。
それは先行きが不透明で、グローバルな分野での闘いを強いられる現代のビジネスシーンにも通じるもの。


まあ、このアナロジーはなんとなく納得出来ますかね。
実際に導入しているグローバル企業も多いようです。


もっとも内容はそんなに物珍しいものではありません。一読して驚くようなことはなかったですね。


簡潔で明確な言葉で語られる「ビジョン」と「ミッション」を掲げ、組織内に徹底する。
進捗が共有できる「評価項目」(指標)を絞り込み、明確化させることで、チームの力を結集させる。
「どこまで自由が許されるか」の<制約>を明確にしながら、その範囲内で権限移譲を行い、メンバーの能力を最大限発揮させる。


こういうのって、今の組織論やリーダーシップ論では結構言われていることです。いわゆる「自主的で自律的なメンバーによって支えられたチーム」。
そこに必要なのは「信頼関係」であり、それはコミュニケーションスキルによって築き上げられ、維持される。(そのための言動として「笑顔」「あいさつ」「興味を示す」等のが挙げられています)
これも「基本」ですね。


でもまあ、その「基本」が出来てないのも事実。
本書にはいくつかワークが用意されていて、「実際にやってみる」ことが推奨されていますが、その効果がどれだけ強調されても「やらない」人の方が多いし(今回、珍しく僕はやってみましたw)、「いい話」で終わっちゃうってのはよくある話。
問題は「課題と対処を把握する」ことじゃなくて、「実際に実行する」の方なんですよね。
いや、マジで。


そういう意味で本書が役に立つのは、ワークと一緒に行くつかのチェックが用意されてることです。
さっきの「信頼を得るための言動」についてはこんな感じ。


<・笑顔はできているか
・好感度の高い挨拶ができているか
・話すときアイコンタクトが取れているか
・聞き上手になっているか(自分の話だけを一方的にしていないか?)
・話すときの音声は明るく明確か
・簡潔な言葉で話しているか>


リーダーシップに関しては「ASPIRE」というモデルが紹介されています。


A Aim(目的)
S Situation(状況)
P Plan(計画)
I Inspire(示唆)
R Reinforce(強化)
E Evaluate(評価)


それぞれの項目でポイントをつけるんですが、僕はASP型。いわゆる「頭デッカチ」タイプ。
いやぁ、そうじゃないかと思ってましたよ、読みながらw。


最後にある「偉人」のミッションリーダーシップの事例は今ひとつでしたがw、全体としては「当たり前だけど、気づきになる」って感じの本でした。
最近のリーダーシップ論や組織論を読んでる人なら、「知識」という意味では改めて読む必要はないんじゃないかと思います。
個人的にはちょっとプレゼンに使わせてもらおうかな、と思うトコもあるので、読んだ価値はありましたけどねw。