鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「奇跡」じゃない:映画評「ハドソン川の奇跡」

レンタルになってから観るつもりだったんですが、宇多丸さんの「ムービーウォッチメン」で高評価だったので観ちゃいました。
結果、正解。
面白かったし、スクリーンで観るのに相応しい作品でした。



ハドソン川の奇跡


原題は機長の名前から「SULLY」。
これが「ハドソン川の奇跡」になっちゃうのは、日本における知名度を考えるとやむを得ないですかね。
作品のテーマは、
「これは『奇跡』じゃない」
なんですがw。
「プロフェッショナルが『やるべきこと、やった』、その結果なのだ」と。
このストイックさがイーストウッドですなぁw。


わずか飛行時間五分。
それをドラマにするにあたって、事故以降の国家運輸安全委員会(NTSB)による調査・ヒアリングから公聴会までの流れを法廷ドラマチックに描いています。
ラストの「どんでん返し」が「人間賛歌」になってるのもイーストウッドらしい。
「制度」と「人」が対立する時、常に「人」を支持するのがイーストウッドです。(だからってトランプを支持するのはどうかと思うけど)


とはいえ、(作中でサリーもコメントしている通り)この「調査」は絶対に必要なことなんですよね。
東京オリンピック豊洲移転のグダグダを見てると、曲がりなりにもこういう「制度」が機能していることが羨ましくなったりもします。
だからあんなに憎々しげに描かなくても良かったろうにとは思いますけどねw。


トム・ハンクスは流石の「貫禄」。
こういうのはもう「彼しかない」って感じです。
…でも、もうちょっと絞っても良かったんじゃない?w