鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

こういう「未来」を期待している:読書録「<インターネット>の次に来るもの」

・<インターネット>の次に来るもの 未来を決める12の法則
著者:ケヴィン・テリー 訳:服部桂
出版:NHK出版

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則


ここ数日、読み進めながら心おどる時間を過ごすことができました。
ジョブズも影響を受けた「ホール・アース・カタログ」に関与し、WIREDを創刊した人物による「未来予想図」。
…とか言って、僕もあんまり知らない人なんですがw、出版に合わせての来日がネットで記事になってるのを読んで、興味を覚えて、購入しました。いやぁ、個人的には「あたり」でしたよ。


基本的には非常に「楽観的」。
作者自身、リスクは十分に承知しているのですが、敢えて「明るい」未来を選んでいます。
それらは「不可避」(原題はコレです)なことだから。
ならば前向きに受け止め、「善き」方向に進んでいくように備えていくべき。
…これはITや情報社会に関する僕のスタンスにも重なるところがあります。だから「楽しめた」わけですがね。


「これからの30年」を俯瞰した大きな動きの方向性のようなものを、
BECOMING/COGNIFYING/FLOWING/SCREENING/ACCESSING/SHARING/FILTERING/REMIXING/INTERACTING/TRACKING/QUESTIONING/BEGINNING
という「12」の側面で描いています。
現実のIT関連技術を踏まえた「予想図」はリアリティがありながらも刺激的で「楽しそう」です。
一言で言えば、「どんどん変わって行って、歩みは止まらない」。
それでいて「強いシンギュラリティ」(いわゆる「スカイネット」ですな)には否定的であり、終章では「地球」規模での新たな世界観を展望しつつ、希望に満ちた将来像を掲げています。(まあ、正直言うとそこらへんはつかみどころがなさすぎて、「スカイネットとどう違うのかいな?」って気分が無きにしもあらず、ですがw)


その技術が実現した際の「生活の1シーン」なんかも差し込まれていて、すごく読みやすいです。
個人的にはApple Music、Amazon Music、hulu、Netflix、Kindle unlimitedなんかを使ってるなかでドンドン「所有」に対する考え方が変容しつつあることを実感している中、「ポケモンGO」で「ネット」と「現実」の融合の一つのあり方(拡張現実)を示されたタイミングだったんで、「ドンピシャ」って感じでしたかね。


こういうことは絶対に「肯定的」に捉えて、「それをどうやって活用していくか」ってことを考えるべき。じゃないと、「経済状況がどうのこうの」言ってても仕方ないと思うんですよ。
ここに「次のフロンティア」があるのは間違いないでしょうからね。
その方向性を考える上に置いて、本書の「未来予想図」はすごく役に立つ。


…と思うんですが、さて、どう読まれるのかな?
「ポケモンGO」の「削除要請」をバンバカ出してるようじゃアカンと思うんだがなぁ。