鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「NEXT WORLD」

・NEXT WORLD 未来を生きるためのハンドブック
編著:NHKスペシャル「NEXT WORLD」制作班
出版:NHK出版(Kindle版)

NEXT WORLD 未来を生きるためのハンドブック

NEXT WORLD 未来を生きるためのハンドブック



NHKスペシャルでシリーズ放送された近未来テクノロジーに関する番組「NEXT WORLD」の書籍版。
こういうのって、
「見たかったなぁ」
とは思うんですが、結局時間が取れなかったりして、見ないもの。多少の不満はありますが(何と言っても「映像」がない)、自分のペースで読める「書籍版」ってのは、有難くはあります。


本書がアプローチしてるのは、これから50年くらいのテクノロジーの発展やそれに伴う社会の変質でしょうか。大半の技術は「50年」とは言わずに、「10年」「20年」で実用化されるものが多いですから(すでにその段階に入っているのも少なくありません)、「未来予想」としては結構精度が高いでしょうかね。


「命と身体」「生活とフロンティア」「人工知能と未来予測」
という括りで整理されていますが、「医療」がらみの話が多い「命と身体」のところが一「番未来」っぽいかな?(それだけ抵抗感もある)
まあ「500年」も生きたいとはあんまり思えませんしねぇ…。
(とか言いながら、「脳を若返らせる薬」には大いに関心があったりします。最近、物忘れが激しいもので)


一方で「人工知能と未来予測」で紹介された技術なんかは(最近、その手の本を読んでるのもあって)、まあ「現実化」が見えてる印象。
やや怪しくなってきている「マーズ・ワン計画」なんかも紹介している「生活とフロンティア」の章はその中間って感じでしょうか。SFチックで面白くはあるんですが。


本書は未来技術に対して基本的に「楽観的」です。


<このままテクノロジーが進化していくことで、いろいろな不安が膨らんだり想定しない出来事は起こるだろう、これまで大切にしてきたことも捨てないといけないかもしれない、でももう前に進むしかない。そこにしか未来や幸福はないのではないか。>


この製作者のスタンスに僕は強く親近感を覚えます。
たとえば「プライバシー」の問題なんかは、まさに直面している課題だと思うんですが、数々の「不都合」をあげつらうより、その「利点」に目を向けて、それをベースに制度を整備していくほうが、ずっと良いと思うんですよ。
情報格差が権力や格差固定につながるということを考えると、「プライバシー」を強調しすぎる勢力への懸念も僕自身は持ってます。(とか言っても、「ウィキリークス」のやり方にも「?」ではあるんですが)


まあ僕も「50歳」です。
今までの「経験」に胡坐をかいたほうが楽なのかもしれませんが、それじゃあつまらないとも思うんですよね。
やっぱり「新しい世界」を見てみたい。
だから本書が描くような世界に向けて社会が開かれていけば、これからも「ワクワク」できるんじゃないかと期待しています。
(Apple Watchを買った言い訳じゃないですよ。・・・多分)