鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「機龍警察 暗黒市場」「機龍警察 未亡旅団」

・機龍警察 暗黒市場
・機龍警察 未亡旅団
著者:月村了衛
出版:早川書房(Kindle版)

機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)

機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)

機龍警察 未亡旅団 (ハヤカワ・ミステリワールド)

機龍警察 未亡旅団 (ハヤカワ・ミステリワールド)



1作目・2作目と読んで、一気に3作目(暗黒市場)…まで来てたんですが、途中で棚上げにしてしまっていました。
いや、面白いんですよ。
面白いんですが、同じ世界観を続けて読むのに飽きが来て…ってのが正直なところですね。「2作目」が上下巻でチョイとヘビーだったってのもあります。



で、4作目も出てるのは知ってたんですが、何となく手を出しかねてる感じがあったところに、シリーズ外作品の「土漠の花」を読んで、
「これはこれで面白かったけど、機龍警察シリーズのほうが」
と思い、再びこの世界に戻ってまいりました。
やっぱ面白いですよ、このシリーズ。



「暗黒市場」の方は、「機龍」に乗る3人の搭乗員の3人目が主人公の作品。1作目・2作目と他の搭乗員が主人公となってたので、まあ予想の範囲内です。
物語の構成としては
「現在、進展中の『事件』を追いかける中で過去の自分と向き合うこととなり、『事件』の顛末が、過去の自分への決着につながる」
というのは前2作と同じ。
っつうか、これは「土漠の花」もそうでしたから、この作者の「パターン」なんでしょうね。



3人の搭乗員は取り上げたから、次は指揮官かな?
…と思って読み出した4作目ですが、この予想は外れ。
過去に向き合うのは相対する「テロリスト」であり、「捜査官」(2名)という構図でした。「過去に向き合う」ってのは同じなんですけどね。



どっちも面白かったですけど、個人的には4作目の方が良かったかな?
ただ話や背景がどんどんハードになってくるのに比して、作者の書き込みの「軽さ」がちょっと気になるようにはなっています。
そこがこのシリーズの読みやすさにつながり、そこが作品としてのスピード感を生んでるってところはあると思いつつも、設定のハードさに見合った重厚な部分も欲しいなぁ…ってのはないものネダりでしょうかw。
でも4作目ラストの、何やら「結局色恋の決着がテロの背景には」ってのには鼻白むものがなきにしもあらずかと。
ロマンチックっちゃあ、ロマンチックなんですが…。



まあでも続きが出たら読んじゃうのは間違いないでしょう。
っつうか、早く出ませんかね、第5作w。