鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「嫌われる勇気」

・嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
著者:岸見一郎、古賀史健
出版:ダイヤモンド社(Kindle版)



少し前にホリエモン周辺で評判になってたので、「またぞろ新自由主義的価値観の自己啓発本かいな」と思ってたんですが、予想以上に「マトモ」な本でしたw。
「自己啓発の源流」
って副題が一番内容を表してるかな?
「他人は変えられない。変えることが出来るのは『自分』だけ」
・・・コレです。
身も蓋もないけど、「全くもって、おっしゃる通り」の、この自己啓発観の基本にあるのが本書で紹介されている「アドラー心理学」ということのようです。
「フロイト、ユングに並ぶ」・・・という触れ込みが事実かどうかは判りませんが、「自己啓発」花盛りの現代を考えれば、あながち誇大広告とも言えないかもしれません。



「すべての悩みは対人関係」
「他人の課題を切り捨てる」
「自己受容/他社信頼/他社貢献」
「勇気づけ」
「人生の意味は、自分が自分自身に与えるもの」
etc,etc



なかなか考えさせられますし、今まで読んできた自己啓発との連関も見えてきます。
「共同体感覚」あたりはチョット「カルト」っぽい雰囲気にもなりますがw、
「『いま、ここ』を真剣に生きる」
という辿り着く先は、「こうなる」と予め予想してても、「なるほどなぁ」って感じです。



本書のスタイルは対話形式(「哲人」と「青年」)。
プラトンを模してる訳ですが、正直、このスタイルにはちょっと違和感がないでもないです。
ラストになって、
「歩きましょう、ともに!」
とか盛り上がられると、なんか面映くって頭を掻きたくなるなるんですよねぇ。
このスタイル故の「分かりやすさ」ってのも、わかるんですがね。



まあ学問(心理学)として「アドラー」の評価や位置づけがどうなってるかってのは、よくわかりません。
でも日々を過ごす上においては参考になる考え方なのは間違いないんじゃないかとは思ってますよ。
「自己啓発の源流」
はダテじゃないw。



<世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ『わたし』によってしか変わりえない。>



それで「いま、ここで、私が幸せになる」かどうかは、何とも言えませんがw