鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「タルト・タタンの夢」

・タルト・タタンの夢
著者:近藤史恵
出版:創元推理文庫(Kindle版)



「サクリファイス」シリーズの作者による、「日常ミステリー」短編集。
下町にあるビストロを舞台に起きる「小さな謎」を、フランス帰りのシェフが解き明かす…と言うスタイル。



「下町」と言う舞台
スタッフ4人と言うアットフォーム感
ビストロで出される料理やデザートの雰囲気
ホット・ワインの温かさ



実に良い舞台立てをしてて、こじんまりとした世界観を上手く構築している。
この手の作品とすれば、コレで半ば以上は成功。
加えて題材となる「ミステリー」も無理なく組み立てられていて、なかなかの短編集に仕上がってるんじゃないでしょうか。
「本格推理」って枠じゃないかもしれませんがねw。



北村薫や宮部みゆきが広げ、深めて来た「日常ミステリー」は、今や日本のミステリーのメジャーになってます。
でも時には雰囲気先行で、肝心のミステリー部分が「?」ってケースもあります。
本書はそう言う玉石混交の「日常ミステリー」群の中ではかなり上質の部類だと思いますよ。



ちょっと美味しいものが食べたくなるのが、ダイエット中の身には厳しいですがねw。