鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ロング・グッドバイ〔東京篇〕」

・ロング・グッドバイ〔東京篇〕
著者:司城志朗 脚本:渡辺あや
出版:ハヤカワ文庫



NHKで製作されている「ロング・グッドバイ」の小説版。
チャンドラーの原作を終戦後の日本を舞台に翻案し、それを小説化した…という流れです。



最初聞いた時は、
「神をも恐れぬ…」
と思いましたね。
それを小説化するのが(チャンドラーに惚れ込んでいる)矢作俊彦とも親交の深い司城志朗氏ってのが、また驚きでした。(ここら辺、矢作さんはどう思ってるんでしょう?)



NHKのドラマは(一応録画はしてるんですが)観ていません。
でもネットで観た予告編だと、懐かしの「キャバレー」(角川春樹監督)を思い出し、不安倍増でした。ああいう自己陶酔ぶりは僕はチョット…。



・・・な訳で、小説版にも不安はあったんですが、(ハードル下げてたのもあって)存外読めましたねw。
戦後社会から現代に通じる「問題提起」も(ありがちとは言え)悪くないと思いました。
敢えて言えば、もっと「現代性」を色濃くして欲しかった気がしますが、そりゃ望み過ぎかも、です。(NHKですしw)
(そういう意味じゃアルトマンの「ロング・グッドバイ」は、やっぱいい作品ですね。ドラマのスタンスはミッチャム版マーロウに近いと言えるでしょうか。(出来はともかく))



もっともチャンドラーの「ロング・グッドバイ」と比較したら、そりゃどうにもなりませんよw。
これはもう「別物」として読むのが正解だと思います。
それなりに楽しんで、そのあとチャンドラーの偉大さに改めて思いを馳せる。(あるいは読み直す)
ま、それが正しい読み方ではないか、とw。



さて、ドラマの方はどうするかなぁ。
「地雷」臭さはプンプンなんですがw、気合も感じるんですよね。
はてさて…。