鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「斬ばらりん」

・斬ばらりん
著者:司城志朗、川島透
出版:小学館文庫(Kindle版)



原案「矢作俊彦」による幕末を舞台にした冒険活劇。
追記の矢作氏によれば、



<幕末の十年足らずを舞台にした逃亡と追撃の活劇、同時に父と子と、それに母、それぞれの成長物語であり、歴史の大転換に揺さぶられる”家族”の寓話。>



らしい。



<私の頭の中にはアメリカの連続TVドラマ、「レ・ミゼラブル」と「逃亡者」があった。>



まあ、そんな感じですな。
もともとは六、七作で大団円を迎えるような映画もしくはTVシリーズを想定してたようだけど、(本人たちも十分に認識している通り)今の日本の状況では「ありえない」。
そこで「時代小説で」ってのは、やむを得ないでしょうな。



地の文に横文字が飛び出してきたり、派手な爆発シーンなんかがあったりして、時代小説としては「新味」も感じさせるけど、全般的にはオーソドックスかなぁ。
まあ「冒険活劇」と考えた方がしっくりくるし、幕末有名人が次々出てくる展開もサービス満点で面白いんだけどね。
主人公「一家」のキャラもなかなか面白く、これがどういう風に「家族」となっていくか。
本作では明かされない「謎」も絡めて、上手く配置していると思うよ。



京都を舞台にした二作目も発売済み。
この勢いで映像化・・・は無理だろうなぁ。そんな勢いは残念ながら感じられない。
個人的には小説版としてストーリーが完結してくれますように・・・と祈るばかり。
六、七作?
そこまで行くかなぁ。