鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「超常現象の科学」

・超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか
著者:リチャード・ワイズマン 訳:木村博江
出版:文春ウェブ文庫(Kindle版)



kindleの中を眺めてたら、いつの間にやらこんな本が・・・。
「買った覚えないよ」
それがホントならミステリーですが、よくよく思い返してみたら、ずいぶん前に勝間和代氏のメルマガでオススメされてて、そのときの勢いで買っちゃったような・・・。
積読なら「本」という実体があるんで、それがプレッシャーになるんだけど、Kindleだとリストの中に埋もれちゃう危険性があるんだよね。
改めてチェックしてみたら、そういう本が何冊か・・・。
いやはや「怖ろしい」w。



僕の超常現象に対するスタンスは、
「人知の知れない存在や事象は否定しない。
でもそうそう在るもんでもないだろうし、積極的には信じない」
って感じかな。
そういうことを「ネタ」として興味深く楽しませてもらうってのはあるけどね。



そういうスタンスの人にとっては本書は面白いと思うよ。(だから僕は楽しませてもらった)
占い
幽体離脱
念力
霊媒師
幽霊
マインドコントロール
予知能力
これらの「超常現象」「超能力」について、本書のスタンスは基本的にネガティブ。
そしてそれを裏付ける実験や理論を紹介してくれている。
作者自身は学者なんだけど、もともと「マジシャン」でもあるんだよね。
「人を騙すテクニックを知ってる者」が超常現象に対して否定的な視線を向けるのは至極当然かも知れない。



本書を読むと、先に挙げた「超常現象」のトリック(絶対そうかどうかは断定できないケースもあるが、蓋然性は極めて高いと思う)が分かるんだけど、単なる「トリック暴き」以上に興味深いのは、「なぜ人はそれに騙されてしまうのか」ってこと。
つまり本書は人の「心理」に関する作品であり、「人間」が進化の過程の中で身につけた能力のバグに関する作品でもある。
ま、「行動経済学」なんかにも通じるとこがあるよね。対象が「超常現象」だけに、「お楽しみ」度は高いけど。(「カルト宗教」なんかになったら、冗談じゃすまないけどさ)



まあ「信じたい」人ってのは、こういうの読んでも「信じちゃう」んだろうなぁ。
でもそうじゃないなら、こういうのを読んでおいて、防御力を高めておくことには意義があるだろう。加えて「人間」って存在の危うさ/奥深さを興味深く知らせてくれるってのもある。
何より、面白いのよ、この本w。
「マジシャン」は基本的にエンターティナー。
そのスタンスが本書にも徹底されています。



「信じたい」人じゃなけりゃ、楽しめる本だと思うよ。