鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

予想より、いい映画でした。:映画評「終戦のエンペラー」

実家の両親が観て、「是非観て」というメールが送られてきました。
気にはなってる映画だったので、丁度良い時間の上映のがあったのもあって、昨日観ました。
ド派手なSFアクションやら、ロボットと怪獣のどつき合いやら、「筋肉系」の映画ばっか観てた反省もありますかね(笑)。




「終戦のエンペラー」



正直、もっとヒドイ出来を予想してたんですが、思ってたよりチャンとした映画でしたよ。
開戦に対する日本の立場なんかも近衛文麿(中村雅俊)がしっかり「演説」してるし、終戦間際の「日本で一番長い日」の経緯も木戸幸一(伊武雅刀)が語ります。
マッカーサーの野心や俗物性なんかも割とあからさまに描かれてますしね。
写真やフィクションの軍人(西田敏行)が語る「日本軍の残虐行為」については、色々意見もあるでしょうが、ハリウッド映画ってことを考えれば(日本人プロデューサーとはいえ)抑制が効いた取扱いなんじゃないかと。(日本が主要なマーケットになる映画ってことを考えれば当然かもしれませんがね)



映画を成立させるために、主人公の恋愛をフィクションとして組み込んでるんですが、これはちょっと長かったかも(笑)。
個人的には原作を尊重した方が良かったと思いますが、「それじゃドラマにならない」って見方も分からなくもないです。その観点からも、「こういうのは日本でこそ作られるべき」とも思いますがね。なかなか難しいのかなぁ。



「果たしてあの時、昭和天皇は何を言ったのか」



ってのも議論になっているようですね。
ただ「その台詞が全てを決した」って流れにはなっていないので、ここもバランスが取れた内容になっているかと。
ちょっと胸が熱くなるものはありましたが・・・。



そこそこの観客は入っていましたが、興行的にはどうなんでしょう。
「これを事実と思ってもらっちゃ困る」みたいなことを町山智浩氏は言ってましたが、こういうところから興味を持って入ってもらうのも「あり」だと、個人的には思います。(それにあの恋愛ドラマは「フィクション」だろうと当たりがつくでしょう。それも分からない人には、そもそもこの映画は向いてない気がします)
「入口」としては「パールハーバー」なんかよりは随分とマシじゃないですか(笑)。