鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「『中卒』でもわかる科学入門」

・「中卒」でもわかる科学入門 +-×÷で科学のウソは見抜ける
著者:小飼弾
出版:角川oneテーマ21



「中卒」っても、この「中卒」は「大検」持ってて、カリフォルニア大バークレー校に行ってますからね(中退だけど)。
中学卒業段階で本書が理解できるかという点では、
「出来る人もいれば出来ない人もいる」
ってとこかな?
少なくともスラッと読める「科学入門書」じゃない。
「現代社会において不可欠な『科学リテラシー』はどういうものか」
ということを論じたものであり、そのハードルは確かに高くはないが(少なくともガッツリ科学を学ぶことに比べれば)今社会がラインを引いている「常識」よりは水準は高いだろう。
ま、そうじゃないとこういう本を書く意味がないけどね。



本書で論じている「三種の神器」
・四則演算が出来る
・単位系が揃っているか判別できる
・論理的思考が出来る
これは個人的にも実感が出来るところ。
そして僕自身は「単位系」のところにハードルを感じているね。
少なくとも震災後の放射能対応の際にこのことは痛感させられた。(いわゆる「シーベルト」ですな)
かなり多くの日本人がそうじゃないのかね。
そして少なからずの人が、僕と同様に、
「うーん・・・わかんね」
と片付けてしまっているw。
本書が書かれた直接の契機はココにあると推測するのは、間違いじゃないだろう。
反省させられました。



一貫した「科学」への信頼感(10年の単位で「エネルギー問題」は解決するとの主張等)や理想論的なスタンス(貧困への取り組み)は「小飼サンらしいなぁ」と思うけど、ITに接してきた彼の実感でもあるのだろう。
正直に言えば、「なかなかそうはいかんだろう」と思いつつ、「もしかしたら・・・」とも期待する。
少なくともその方が僕の子供達にとっての「未来」は明るいだろう。
そこにバブルのような時代はないとしてもw。



だからこそ本書は一読の価値があると思う。
この「三種の神器」を子供達に伝えるために。
・・・その前に自分が理解せにゃならんのですがw。