鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「イノベーション思考の本棚」

・イノベーション思考の本棚
著者:小山龍介
出版:Kindle自主出版



HACKシリーズの立役者によるブックガイド。<イノベーション思考を鍛える厳選された27冊を紹介する未来へ誘うブックガイド>



と言うのが表紙に書かれた「売り文句」。
僕なりに付け足すと、
「高度成長をさせた工業社会、その後の情報社会を経て、これからはその情報をどのように扱うかが問われるようになる。
作者はそのキーとして『アーティスト』的な働き方を考えており、その考えの方向性を補完するための読書ガイドが本書」
ってな感じかな。



作者自身コメントしてるように、これは全体がそういう風に移り変わるわけじゃなくて、それぞれの「働き方」は共存するんだけど、大きな流れは「アート」の方向にあり、そこに「利益」が集中するという風に考えられている。
まあ規模の問題はあるし、それが国民生活のどこまでを支えられるのかってのもあるけど(Appleの収益は圧倒的だが、雇用という観点からはアメリカ国家の中軸にはなり得ないように)、個人としての付加価値が求められる方向性はコッチだろうなってのは納得できる。
そういう意味で興味深いブックガイドになってると思うよ。
27冊のうち、読んだことがあるのは、9冊だから、僕自身の興味の方向性は作者とは微妙にズレたトコにあるのかもしれない。
でも何冊かは「読みたいな」と思わされたから、共感できる部分も少なくなかったってことだろう。



本書作者がKindleで自費出版した作品。
価格100円だったけど、思ったより読み応えがあったなぁ。
ブログでしっかりとした内容の文章を発表してる人なんかにとって、このKindleの自主出版ってのはナカナカ面白い取り組みかもしれない。書籍にするにはボリュームが足りないけど、興味深い内容のモノなんかは活用できるよ。(まあそれでどれだけの稼ぎになるのかはワカランけど)
勿論、「編集者」の存在が書籍の「質」に与える影響は少なくないと思っているので(例えば本書でも「目次」設けてないのは今ひとつ)、玉石混淆の世界にはなっちゃうんだろうけどね。
でもこういう形で裾野が広がること自体は悪くないように思うんだけど、どうかな?