鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「クラウド時代のタスク管理の技術」

・驚くほど仕事が片付いてしまうクラウド時代のタスク管理の技術
著者:佐々木正悟
出版:東洋経済新報社(Kindle版)



これも出版されたときに気になっていたのを、Kindle版で見かけて購入する気になった作品。
まあ電子書籍でこの手の作品を読む場合、写真や図版が見づらいって問題があるんだけど(電子版を想定して作り込まれてないから)、それは相変わらずでしたなw。
ビジネス書やノウハウ本は電子書籍の方が相応しいと思ってるんだけど、ここら辺は今後の課題だろうね。
時間の問題だろうけど。



従って本書を手引きとして、具体的なツールも本書が紹介するもの(ToodledoやOmniFocus)を導入しようと思うなら書籍版を読む方がいいと思う。
ただ作者が考えているタスク管理の「考え方」を学ぶという視点なら電子書籍版でも十分。
隙間時間を使って読めるから、僕は助かったけどね。(じっくり読むような本じゃないとも言えるけどw)



作者のタスク管理術をザクッと整理するとこんな感じかな?



1.プロジェクト(時間がかかる案件)は階層的にタスク分解し、行動の単位を明確化する。
2.階層化されたタスクをTo Do化して、週/日における行動を明確化する。
3.To Do化された行動に要する「時間」を計量化し、一日の中でどれだけの時間を要するかを明確化する。



実にロジカルだし、整理されている。
根本には「GTD」の思想があるようだけど、具体的かつ論理的に、現代のネット/モバイル技術に照らし合わせて体系化した技術書と言えるんじゃないかな?
感心したし、参考になることも多かったよ。



ただ自分自身が使う段になると、いくつか「うーん」てとこもあったなぁ。
まず第一は、あまりにも整理されすぎているために、突発的なプロジェクトや錯綜するToDo、特に「外部」から介入してくる案件への対応に一考を要するという点。
実際にはそうした点こそを考慮しながら本書のタスク管理術は整備されてるんだけど、多分作者の仕事より僕の現在の業務は主体性が低いんだと思う。(勿論、個々の取り組みにおいては主体的にやってるんだけど、まあ「中間管理職」だからねw)
だからそのための「余白」をどのようにタスク管理/プロジェクト管理の中に持ち込むのかってのは、個人的な課題になる。(上記の整理で言うと、特に「3」の効力が低くなる)



第二は作者が使っているツールとの僕の相性。
メインとなるToodledoとOmniFocusが、僕はあんまり好きじゃないんだよw。
前者の方はRemember The Milkの方がフィットするので、それで置き換えるとして(本書を読んで、若干使い方を変えた)、後者の方にどうしても手が出ない。
まあ「高い」ってのもあるんだけどw、もう一つは僕のタスク管理の殆どはPCからスマホに移行しちゃってるってのもあると思う。
そういう観点から考えると、OmniFocusのスマホでの使い勝手ってのが、ちょっとピンと来ないというのが、今躊躇している一番の理由。
プロジェクト管理の重要性は痛感してるんで、思い切るべきかなとも思ってはいるんだけどね。(今はカレンダーとRTMを組み合わせて管理してる感じではある)



まあ具体的なだけに、どうしても取り入れる際には違和感を感じる部分が出てくるのは仕方ない。
ここまでタスクを明確化して、計量化するってのは、多分多くの人に取って負担感が大きすぎるだろうしね(僕もそう)。
ただ基本的な「考え方」と言う点では良く整理されているし、実際的でもあると思う。
全体としては自分自身への問題提起という点でも、「読んで良かった」って作品だよ。



提起された問題にどこまで取り組めるかってのはあるけどw。