・土井英司の「超」ビジネス書講義
著者:土井英司
出版:ディスカヴァー携書
ビジネス書読みとしては高い評価を受けている作者が(「ビジネスブックマラソン」というメルマガを発行している)、
「ビジネス書をどう位置付けるか」
「どう読むべきか」
「どんなビジネス書を読めばいいか」
について論じた作品。
個人的には「本の紹介」を期待して読んだんだけど、前半の「ビジネス書」論のパートも面白かったよ。
まあ「身も蓋もない」ってトコも、ないではないんだけどさw。(ビジネス書を「時代を反映する」ツールとして分析してるからね)
ビジネス書のトレンドから見る時代分析として作者が述べているのは、
「情報産業時代になった」
「今後、全体主義の方向に振り子は振れる」
…と言ったところが主軸かな?
「情報産業時代」を踏まえ、今後の職のあり方を「情報クリエイター系」と「情報ディストリビューター系」に整理し、それぞれに応じた「オススメ」をしてるあたりが、本書の最大の読みどころかと。
「ホワイトカラーが消滅する」と言う刺激的な指摘は、「ホワイトカラーが分裂し、そこに格差が生じてくる」と言うコト。
リアルにそう言う時代が来てると個人的には思ってるんだけどね。
(だからって何か準備ができてる…ってわけじゃないところがダメなんだけどさ)
(「全体主義」については「ファシズム」を想起すると「?」だけど、「公共」や「コミュニケーション」に価値観を見出す流れを考えると、「確かにね」と思う。
ここら辺は「どっちがダメ」って話じゃないんだけどね)
ビジネス書の歴史を俯瞰しながら、時代の流れを分析したりするところも面白いし、もちろんタップリある「オススメ本」も参考になる。
古典への目配りもされていて、かなりバランスは取れてると思うよ。
とは言え、こんなには読めないけどさぁw。
「ビジネス書」に対して否定的な感覚を持ってる人こそ読むと参考になる作品かと。
でも、そういう人は読まないかw。