・櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている。
著者:村上龍
出版:KKベストセラーズ
「すべての男は消耗品である」の最新刊。
このエッセイ・シリーズは結構好きで、ずッと読んできたんだけど、最近は「どーしよーかなー」と迷うコトが多い。
面白いのは相変わらずなんだけど、ハードカバーでこの分量だと、ちょっとコスパがw。
かと言って、文庫化を待ってると話題が古くなり過ぎるからねぇ。
今回は、妻がこのシリーズを楽しみにしてることと、震災に対する村上龍の考え方に興味があって、結果的に購入することにした。
代官山TSUTAYAで買ったんだけど、雰囲気に後押しされたってのもあるかもw。
(何か本のコスパのこと考えるなんて、ちょっとミミッチイ感じがしたんだよね。
単なる見栄っ張りですなw)
本書で扱われているテーマには、勿論「震災」もあるんだけど、「若者論」も大きな柱だったかな。
「自分は今の若者に興味がない」
と断りがあるんだけど、その割に色々言ってるなぁ、と。
まあ村上龍も還暦らしいから。
もっとも、僕自身、どっちかって言うと、村上龍に近い方かなw。
今の「若者」について論じる視点はあまり持たないし、彼らだってあーだこーだ言われたくないと思う。
それに比べりゃ、村上龍は突っ込んでる方だろう。
このシリーズを読むと、村上龍の意見とはズレを感じることも少なくないんだけど、本作の場合、結構近いものを感じた。
それだけ僕が村上龍に毒されていると言うことなのか、あるいは時代の流れか?
まあJMMを読んでるから、毒されてるってのはあるかもw。
それにしても(本人も自覚的だけど)「文化人」と言う存在としては、村上龍は最後の世代かもね。
それがいいことかどうかは分からないけど、少なくとも今跋扈している「コメンテーター」の類とは、彼が自己認識している「文化人」とは立ち位置が違うことは明らかだ。
だからって、今更「文化人」が影響力を持つこともあり得ないだろうけどねぇ。
ここら辺は新しい世代が考えるべきこと。
まあだから、「今の若者に興味がない」ってのも仕方ないんだよね。
というわけで、若者が読む意義があるかどうかは何とも言えないけどw、コメンテーターの軽薄な物イイに異議のある向きには、オススメできます。