鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ダメ親父ぶりが腹立たしくも・・・:映画評「リアル・スティール」

ロボット版「ロッキー」。
いや、「チャンプ」かな?
まあ、足して二で割ったようなものですw。
予想通りの展開で、予想通りの結末。
でも「それでいいんだ!」って映画です。

「リアル・スティール」



前半の主人公(ヒュー・ジャックマン)の「ダメ親父」ぶりは、「お約束」とは思いつつ、実に腹立たしい。
でもまあ、「我が身を振り返ると・・・」ってとこもあるんですよねぇ。
言ってみれば、主人公は「自分」を変えられないが故に「家族」を捨ててしまった男。
勿論、僕は「家族」を捨てたりしませんがw、どこか理解できるところがあります。
多分それは多かれ少なかれ誰にでもあることで、それが主人公への共感につながってるんじゃないかと。
(息子とのつながりを通じて「自分の枠」から一歩出てきた主人公は、周りも自分自身も見えるようになり、それがファイティングにも活きてくる・・・って展開は上手くやれてると思います)



ロボット同士の格闘シーンも迫力があります。
ボクシング映画の場合、試合のシーンのリアルさってのは極めて重要ですが、それをロボットに置き換えることで、CGを駆使した「リアルさ」を作り出す、ってのはナカナカ面白い発想の転換。
そのことには十分に成功しているでしょう。
あんまり成功しすぎてて、「ロボット格闘技ってリアルより迫力あるじゃん」ってなっちゃうのはどうかとも思いますがねw。



ただまあ、「感動」という意味では、「ロッキー」や「チャンプ」の方が上です。
親父自らが闘う訳じゃないですからねぇ。
そういう意味では作品そのものが「代替品」的な位置づけになっちゃってるとも言えます。
ここら辺はもう少しロボット(ATOM)との交流を膨らませた方が・・・ってそれじゃ、別の映画になっちゃいますか?w
まあ良くも悪くも、これはこういう映画なのかもしれません。



ボクシング映画の王道を踏まえたストーリーになっているので、観てて退屈はしませんし、「感動」も約束されています。
それだけで「合格点」ではありますかね。