・秘帖・源氏物語 翁 OKINA
著者:夢枕獏
出版:角川e文庫(電子書籍)
夢枕獏版「源氏物語」。
光の君の「相棒」を務めるのが「蘆屋道満」だから、「陰陽師」の番外編とも言えるかな?
っつうか、コレって「陰陽師」でやれるよね?
「光の君」を「安倍晴明」に置き換えて、例えば「若く日の安倍晴明」みたいな設定にしても成立し得る話なんじゃないか、と。
「世界」に対する クールな光の君のスタンスなんか、まんま安倍晴明に重なるもん。
微笑が絶えない色男描写もねぇ。
「源博雅」役にはちゃんと「頭中将」が用意されておりますw。
そういや、「百鬼夜行」もどっかでやってなかったっけ?
(まあ光の君の「女性遍歴」は晴明にはないか。
でもこれだって、「あってもおかしくない」って感じだからね)
もっともだからって本書が面白くないって訳じゃない。
最近、追っかけるのが疲れてきたw「陰陽師」の最近作より緊迫感があると思うよ。
「源氏物語は物の怪の物語」
ってのは結構着眼点、イイと思うし。
だから「夢枕獏」印としての水準はクリアしてる上での話ではあります。
本音を言えば「早く餓狼伝終わらせてよ」ってトコw?
「新・魔獣狩り」は完結させたから、その意欲があるのは認めますから。
読んで退屈しない品質は保証済み。
単行本・文庫・電子書籍を同時発売って取り組みも僕は面白いと思ったけどね。
ま、大御所だから出来る実験とも言えますが…。