・プロフェッショナルサラリーマン 「リストラ予備軍」から「最年少役員」に這い上がった男の仕事術
著者:俣野成敏
出版:プレジデント社
同じシリーズの「プロフェッショナルセールスマン」がナカナカ「熱くて」面白かったんで、半ば衝動買い。
ところが本書が想定している読書層は・・・
<本書では主に二十代の人に向けて「プロフェッショナルサラリーマン」になるためのメソッドを書き記しました。>(P.6)
<本書では、主に二十代のサラリーマンを意識しながら、社内でチャンスをつかむ方法論を記してきました。>(P.299)
うーん。
40半ばじゃ遅すぎる?
で、しばらくほっぽらかしてたんだけど、何か折角買ったのももったいないし・・・ってな感じで、読んでみる事にした。
ま、中間管理職として、後輩指導の参考になるかもしれんしね。
でも読んでみたら、意外に面白かったんだよ。
基本的に言ってることは、20年ほどサラリーマンやってる身にも納得感あったし。
何だか高邁な理想論を振り回しすぎず、現実的路線を突いていながら、目線は結構高い。
「いい事言うじゃん」
ってトコ、多かったよ。
「できてねぇなぁ」
って自分に刺さる部分もかなりありましたがw。
作者のスタンスの基本にあるのは、
「仕事は受け身で与えられるもんじゃなくて、自分で作って行くもの。最初は『上司から仕入れる』というスタンスから、仕事への取り組み方を深めて行く」
って考え方。
そこから、
「仕事」=「四事」
という枠組みを提示し、
<①思事(思うところが出て)
②志事(志を持つようになり)
③始事(自分で何かを始めることができるようになると)
④資事(会社を資することができるようになる)
四事が一周回せるようになれば、"つくって、回して、稼ぐ"ことができるプロフェッショナルサラリーマンの証>(P.34)
と論じている。
これ、結構深いと思うよ。
僕はサラリーマンのあり方としては「自律」ってことを一つのポイントにしてるんだけど、それを包含し、その先まで視野に入れた考え方がここにはあると思う。
「プロフェッショナル」って冠つけるのも、伊達じゃないかな。
理論的なとこもあるんだけど、全体として整合性がとれているというよりは、具体的な心構えのあり方や、取り組み方を列挙したような作品。
でもそれだけにサラリーマンとしての自分の有り様を考え、チェックするには便利な本でもある(ちゃんとチェックリストもあるしw)。
完全に同意できる訳じゃないし、(業界が違うから)自分とは合わない部分もあるんだけど、基本的なスタンスはかなりしっかりしてると思うな。
<もしあなたが、本書で述べた方法を正しく実行に移せば、サラリーマンとしての活躍を手にすることができます。>(P.299)
確かに。
ただそのことが相当に難しいってのもあるけど。
でも何らかの参考にする事で、一歩でも自己変革につながれば、それはそれでいいと思う。
自己啓発本ってのはそういうもんだよね。
そして「サラリーマン」というあり方にフォーカスした本書のユニークさは、評価できるんじゃないかなぁ。
と言う訳で、周りの若手にチョット薦めてみようかなと思ってるとこです。