鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「体制維新ー大阪都」

・体制維新ー大阪都
著者:橋下徹、堺屋太一
出版:文春新書



今週末はいよいよ大阪市長選。
結構話題になってる様だけど、ここに来るまで僕自身はあまり興味がなかった。
第一に大阪市在住じゃないってのがあるけど、加えてあんまり好きじゃないんだよね。橋下徹。
坊やっぽい若僧な風貌に生意気な口振りがどうも…。
「どうせタレント知事に毛が生えたようなもの」
ってのが僕の認識だった。


それをここに来て本作を読む気になったのは、まずはこのタイミングでのバッシング報道。
続いて大阪勤務の同僚が「結構重要な選挙かも」と話してたのがあって、最後のひと押しが「ちきりん」氏のブログでの本書の紹介だった。
ま、ちきりん氏は堺屋氏の切れ味を賞賛してるんだけどねw。


読んでの印象は、
「橋下徹、かなりシッカリしてるやん?」
彼が狙っているのは「体制の変革」なんだけど、その線に沿った論旨として、「大阪都構想」はかなり一貫しているように思う。
体制変革の必要性に対する認識も、僕個人としては共有できる面が多いと感じた。
現在の政治状況が「人事」や「政策」の変更では対処できず、「体制」の変更を必要としている。
確かにそうなんじゃないかね?


となれば、今回の選挙は「体制の変革」を是とするか否かが争点になるわけだ。
少なくとも橋下氏は認識していており、その認識の元に闘いを進めとしている。
平松氏サイドはどうなのかなー。
「既得権益サイド」って御旗は、あんまり選挙上はグッと来ないもんね。
平松氏を応援してる内田樹氏は、ここには意識的だと思うんだけどね。


内田氏が言うように、確かに教育に急激な変化は望ましくないような気がするし、政治の関与もどうかと思う。
一方で現在の教育体制や理念が古代からの教えwなんかじゃないことを考えると、教育に対する社会変化の影響を過度に騒ぎ立てることで思考停止に陥ってるんじゃないかという考え方もあるだろう。


結局のところ決めるのはコミュニティであるべき…って考え方は、実は橋下氏の考えにすごく近かったりするんだよね。
どこまでコミュニティの判断を信じれるかってのは、民主主義の根幹に関わる部分でもあり、結構奥深い。
選挙による民意を重視する橋下氏は、ある意味、民主主義原理主義者かもねw。


まあどうあれ、大阪市長選挙の結果は遠からず出る。
その結果がどうなるかは、僕にもよく分からない。
ただ橋下氏のドラスティックな改革を見てみたいって気分は本書を読んで生まれたのは事実。
そこにあるのは混乱だけかもしんないけどw。