内容としては前作「日本中枢の崩壊」と被るね。
まあ「日本中枢の崩壊」の普及版って感じかな。
作者自身もそのつもりで描いた節はある。
大半が執筆されたのが震災前で、震災に関する言及が限られた前作に比べて、本作は震災を踏まえた内容になってるから、そこは読みどころかもしれない。
とは言え、
「省庁主権になっている国家公務員を国民目線にするための公務員改革が重要」
って作者の主張に変わりがあるワケじゃないけどね。
さて 野田首相が選出され、党役員の選出・組閣が進められている。
今のところ手堅い印象があるけど、さて「変革」に対して、野田首相はどういうスタンスを取るのかな?
作者によると現在の民主党の官僚寄りのスタンスは仙谷由人氏の戦術だったようだが、見る限りそれが上手く機能したとも思えない。
財務相としての野田氏は官僚の傀儡とも言われてたけど、小沢グループとの融和を(今のところは)打ち出している新政権がどう言うスタンスになるのか。
これは見どころだね。
「公務員改革」については、
「震災による危機がある今、優先順位を上げるべき政策か」
って見方はあるだろう。
ただ財政再建が必須となっているのも事実であり、いずれかの段階では「増税」を選択しなければならないとのも濃厚。
野田氏は特にそのコトを認識しているようだ。
その時、「いい身分」の公務員の処遇をそのままに、世論の賛同を得るコトができるか?
情報のオープン化が急速に進む中、これは極めて重要な視点だと思う。
作者もそこに突破口を見てる向きもある。
となると、やっぱり気になるのは新政権での作者の処遇だねぇ。
退職勧告を退けた 作者は未だ無職の経産省官僚。
この彼を活用する途を野田政権が選ぶようであれば…。
うーん、ま、無理でしょうねw。