・ビブリア古書堂の事件手帖 栞子さんと奇妙な客人たち
著者:三上延
出版:メディアワークス文庫
「メディアワークス文庫」だからライトノベル。
確かに
「美人で内気で脚が悪くて、でも本絡みのコトにはムチャクチャ頭脳明晰」
ってヒロインはそれなりにキャラが立ってて、ライトノベルっぽい。
でもまあ最近の日本のエンタメ本って、結構キャラ重視だからね。
例えば有川浩の小説と比較して、本書が格段ライトノベル寄りってワケじゃないだろう。
そう言うレッテル貼り自体意味がないのかもしれないけど、本書はエンタメ本としてソコソコの水準にあると思うよ。
作者が今まで発表して来たジャンルがファンタジー/ホラー系なのを考えると(って読んだワケじゃなくて、題名からの推測だけどw)、ちょっと驚かされるね。
もっとも古書店を本格推理にかませるってのは珍しいパターンじゃない。
推理小説としてもビックリするようなもんではないね。
ただこの手の作品の場合、キャラと世界観が重要。
そこは上手くやってると思うな。
むしろ本書が特徴的なのは、シリーズ化が可能な作品なのに、あえて閉じた展開を持ち込んでるコトかな？
まあ主要キャラは残したのでシリーズ化もできるんだけど、ストーリーとしては環を閉じている。
あるキャラについては「ドンデン返し」も入れてるから、この閉じ具合は気合が入ってるとも言えるね。
まあ人気が出るかどうか分かんなかったってことなんだろうけど、僕はこの潔さは好きだな。
それが作品の水準を上げてるってのも確かにあるからね。
さてシリーズ化されるかな？
あっても良し、なくても良し。
でももし続編が出たら、僕は買うと思う。
それ位の魅力はあるよ。
