文庫になってから読もうと思ってたんだけど、週末に本屋でパラパラ眺めているうちに止まらなくなり、購入。
「一気に読むのは勿体ないなー」
と思いながら、一日で読んじゃいました。
相変わらず読みやすいね、伊集院静。
夏目雅子死去後、交遊のあった色川武大について語った小説。
まあ自伝的小説と言う奴で、色川武大について語りながら、自分自身について語ってる、って感じかな?
僕自身は殆どギャンブルはしない。
麻雀と競馬は一時期手を出してたんだけど、結局長続きしなかったから、肌が合う方じゃないんだろう。
今までの人生も、順風満帆ってわけじゃないけど、色川氏や伊集院氏に比べれば(今のところは)平穏な人生と言えるだろう。
そんな人間がこう言う小説を読んで本当に感ずるところがあるのか。
僕にもそれは分からない。
分からないんだけど、ベンチに独り耐えるように座る色川氏の姿が、読み終えた僕の脳裏に残っている。
そのコトに何か意味があるのかどうかは何とも言えないけど、僕自身は
「読んで良かったな」
と感じてるよ。
「救い」と言うのは、意図的な行動によってもたらされるのではなく、人が寄り添う中で見つけ出されるモノなのかもしれない。
…うーん、言葉にはし難いな。
「色川武大」を知らない人にとっては「?」って作品かもしれないけど、姿のイイ小説じゃないかなってのが感想です。