鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「図書館戦争」

・図書館戦争 図書館戦争シリーズ①
著者:有川浩
出版:角川文庫



昔、ハードカバーで出たときに、
「面白そうだなぁ」
とは思ってたんだよね。
ただ逡巡しているうちに、次々続編が出版されて・・・
さすがに単行本で買うのははばかれて、文庫化を待ってた次第。
従って、コレは待望の「文庫化」。



・・・なんだけど、読み終えた感想は「微妙」。
なんだよね、残念ながら。



いや、面白い作品なんだよ。
有川浩の安定した語り口は、奇妙な世界設定にリアリティをもたらせながらも、スゴく読みやすいしね。
「阪急電車」を読んだときも思ったけど、なかなか達者な作者だと思う。



だから作品としてのレベルは問題ないんだけど、問題はテーマなんだよ。
これが個人的に「今ひとつ」。
すなわち「色恋沙汰」w。
本書の物語の核には「女子高生並みの恋愛一直線」がある。
そのノリ自体は楽しいんだけど、もうそういうのを読んで楽しむってのがどーも面倒くさくなってるんだよなぁ。
真面目にやってるんじゃなくて(失礼)、面白がらせようとしてる、ってのは十分に分かってるんだけどね。
40男としては当然かもしれんがw。



一方、「裏テーマ」になってる「検閲」。
これはスゴく興味深い。
本書の発表後にも、東京都の青少年条例が可決されたり、原発対応の中で政府の隠蔽的体質や、マスコミの大本営発表的傾向が見えてきたり・・・
ドンドン現代的なテーマになってきてるとも思うしね。



さて、問題は続編をどうするか?
主人公達の恋愛模様を追いかけるのは、なーんか鬱陶しいなぁと思うんだけど、「検閲」を巡る戦いがどうなるか、気にはなるし・・・



ま、取りあえず一緒に出版された2巻までは読んでみようかな?