鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

半端ない緊張感がある:「9/11:その時、司令本部で何が起きていたのか」

「9/11」当日、アメリカ政権中枢部の人々がどういう状況にあり、何を考えていたのかを追うApple TVのオリジナル・ドキュメンタリー。

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ブッシュ、チェイニー、ライス、パウエルといった政権トップの面々に加え、スタッフたち、メディアの人間等がインタビューに応え、当時の映像や写真を交えながら、当日を朝から振り返るスタイルとなっています。

ワールドトレードセンターに飛行機が突入してからの緊迫感のある時間が、ヒリヒリとする感じで伝わってきます。

 


しかしまあ、こういう状況にありながらも、同行している誰かは写真を撮り続けてたんですね。

それは「<何があったか>を、いずれは公表する」ということが前提になっているから。

その徹底ぶりが中々凄いです。

東日本大震災の時に「何があったのか」をドキュメンタリーで追いかけるとして、ここまであからさまなものを作るのは、日本じゃ無理じゃないかと思いますから。

 


当時の映像、写真、今のインタビュー。

 


そこには「批判的」なものも、「迎合的」なものもありません。

そういう意味ではドキュメンタリーとしての「物語」は極めて抑えられた作りになっています。

でもこうやって追いかけていく中で見えてくるもの、感じられるものは何某かあるんですよね。

その果てに20年のアフガン戦争の惨憺たる結果があると思えば尚更に。

 


911。

当時、飲み会から帰ったところに掛かってきた母からの電話でニュースを見て、WTCに突っ込む飛行機を見て、呆然としたことを思い出します。

全く関係がなかったわけでもなく、そこから数週間は現地のメンバーとのやりとりに追われたことも記憶の中にはあります。

崩れ去るビルの、今更ながらの衝撃的な映像に、そのことを思い出しました。

 


アフガン戦争が終結した「今」、その原点を確認する意味においても、見るに値するドキュメンタリーだと思いますよ。

(それが「一面」でしかないことも確かではありますが)

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#9/11

#AppleTV

 

父は彼女にそれを求めてたのだろうか:映画評「スイートガール」

製薬会社の卑劣なビジネス戦略で治療薬を投与できず、妻を失った男。

残された娘を連れて、復讐の旅が始まる。

 


…ってな感じのジェイソン・モモア(アクアマン)主演、Netflixオリジナル映画。

巨大製薬会社の「金儲け主義」とか、チョット社会派的なテーマも絡めつつ、「痛い」系のリアルアクションを畳み掛ける結構ストレート&王道な復讐譚。

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…とか思ってたら、終盤に来て「トンデモ」展開w。

いやぁ、こりゃ「ネタバレ」禁止やわ。

前知識なしで見たら、確かにビックリ。

「悪くない」けどね。

 


アクション映画だけど、親子の物語であり、父から娘への物語でもある。

受け継がれるものは、結局は受け継ぐものの自己欺瞞でしかないのかもしれないけれど。

 


ラスト、もう少し派手でも良かったかな?

でも悪くない映画だと思います。

Netflixだしw。

 


#Netflix

#スイートガール

#ジェイソン_モモア

 

「加賀恭一郎」路線に変更?:読書録「透明な螺旋」

・透明な螺旋

著者:東野圭吾

出版:文藝春秋

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<ガリレオの真実>

<ガリレオの愛と哀しみ>

<愛する人を守ることは罪なのか。

シリーズ最大の秘密が明かされる。>

 


…と帯で煽りまくるw「ガリレオ」シリーズ第10弾。

電子書籍にネガティブな東野さんのスタンスには賛成できないんですが、このシリーズは買っちゃうなぁ。

 


もっとも個人的には「短編」の方が好きなんですけどね。

「物理」的なトリックを使った「え?それあり?」って話が一番好きです。(本作中でも言及される「レールガン事件」とか)

しかしそんなのナンボも出てくる訳でもなく、「論理的」「合理的」推論から真相に迫り、最後の一枚のところで「情」を垣間見せる…って長編のスタイルも楽しませてもらっています。

 


本作については帯の煽りは行き過ぎにしても、シリーズとしては一番「情」の部分が出てるのは確かでしょう。

ちょろちょろ湯川先生の「過去」にも言及されてて、なんだかノリとしては「加賀恭一郎」になってきた感も…w。

いや、作者は一緒なんだから、別にいいんですが。

その分、「論理モンスター」ノリが後退しちゃってるのはチョット寂しいけど…。

一気読みするくらい面白かったのは確かですけどね。

 


映画の第3弾もできるようですし、本書での「振り」を考えると、まだ「続編」は期待してもいいかな?

そっちはそっちでいいとして、「とんでもトリック」「論理モンスター」路線の方もお忘れなく…と申し添えたい。

 

 

 

#読書感想文

#透明な螺旋

#東野圭吾

#ガリレオ

こんなに「ウェ〜イ」なの?最近のアメリカの高校生って…:映画評「He’s All That」

「自由研究には向かない殺人」を読んで、最近の欧米の高校生の生活ってのにチョット興味を覚えて、ちょうどNetflixオリジナルで配信されてたのを見かけて視聴。(「自由研究〜」はイギリスの小説で、こっちはアメリア映画だけど)

「She’s All That」って99年の映画が元で、主人公男女を入れ替えて現代版として作ったのが本作のようです(元ネタの方は見たコトないんですけどね)。

…っつうか、元々は「マイ・フェア・レディ」やけど。

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楽しく観れる映画でしたよ。

「いや、主人公、もともとカッコええやん!」

ってツッコミも、「少女マンガ」あるあるやし(少女マンガちゃうけど)。

InstagramやTikTok、ライブ配信やらSNSやら、インフルエンサーのスポンサーやら、「今」っぽいところがテンポよく突っ込まれてて、なかなか楽しいです。(ヒロインの女性はTikTokのダンス動画で有名になった方とのこと)

 


しかし、今のアメリカの高校生って、ホントにあんなに「ウェ〜イ!」なのかしらん?

でもってプロムで「ダンスバトル」って、マジっすか?

…ってなとこもあって、リアリティラインについては「???」な感じもなきにしもあらずではありましたが…。

(ホントにあんな生活送ってたんだとしたら、新型コロナは厳しいでしょうなぁ…)

 


個人的にはヒロインのお母さんが「無駄に美人やん」と思ってたら、元ネタのヒロインだった方とのことw。

ぶっちゃけ、昔より綺麗になっとるんちゃう?

 


ちなみに見終わった後、なんとなく「恋しくて」のメアリー・スチュアート・マスタートンが見たくなっちゃいました。

 


https://youtu.be/Rqm3qTkhwcI

 


ま、僕の青春映画って、ここら辺なのよね。要はw。

 

 

 

#映画評

#hes_all_that

#shes_all_that

#netflix

オモロかった:読書録「自由研究には向かない殺人」

・自由研究には向かない殺人

著者;ホリー・ジャクソン 訳:服部京子

出版:創元推理文庫

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Amazonのオススメかなんかに出てきて、衝動買い。

届いたのを見て、

「いやぁ、こんなに分厚いんや…(500ページ超)」

とビビりましたが、読み始めたら一気でした。

(←やや誇張w。2日で読みました。これくらいを一気読みする「体力」がなくなってます…)

 


5年前に女子高生が失踪し、彼女のボーイフレンドが「彼女を殺した」とメールを残して自殺。

そのことに納得できないヒロインは、学校の「自由研究」の課題にこの事件を取り上げ、その真相を探ろうとする…

 


「過去の事件」を再調査して「新たな真実」を…っていうのは「パターン」ですが、本書の場合「自由研究」を捜査の目くらましに使ってるあたりが新基軸ですかね。

この手のストーリの場合、

 


事件を追ううちに、被害者の二面性や関係者やその家族たちの「秘密」が露わになり、コミュニティーの影の部分があからさまになって行く

 


って展開になりがちですが、本書もそのパターンw。

ただそういう話が「暗い」感じになりそうなのに、本書は結構「カラッ」としたトーンなのが面白いです。

一気に読めたのも、「だから」ってのもあるかと。

 


その要因の第一は「ヒロインのキャラ」。

前向きでフェアな姿勢が一貫してて、それが作品のトーンを支配してるってのがあります。

作品のスタイルとしても、レポート、インタビュー、SNS、チャット、手帳等を作中に組み込んで、その中から現代の10代の若者たちの生態なんかも浮かび上がってくるようにしてるあたり、「読ませるなぁ」と感心しました。(ここら辺、ちょっと「リンカーン・ライム」シリーズを思い出します)

 


単純な「犯人探し」に終わらせず、その裏にあるマイノリティや女性への差別・抑圧、学校でのいじめやカーストの存在なんかにも言及するあたり、「現代性」もしっかりあるミステリーです。

僕は好きですね、こういうの。

 


どうも3部作になってるらしくて、あと2作も発表されてる模様。

ちょっと楽しみなシリーズになってます。

 


#読書感想文

#自由研究には向かない殺人

そうじゃないかと思ってましたw:読書録「ダイエットをしたら太ります。」

・ダイエットをしたら太ります。 最新医学データが示す不都合な真実

著者:永田利彦

出版:光文社新書

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「ダイエットのプロ」(=おそらく人生の1/3はダイエットに取り組んでいる)として、「いやぁ、そうじゃないかと思ってたのよ」って話w。

 


ダイエットすればするほど、身体が「ダイエット耐性」を獲得してしまって、ダイエットが効きにくくなり、リバウンドを促す方に機能してしまう。

 


…単純に言えばこういう話ではないかと。

そうなんだよなぁw。

ここら辺、結構「実感」として納得できますわ。(「お前がちゃんとダイエットしてないだけや」というご意見は受け付けませんw)

 


「じゃあ、どうしたらええねん」

に対する作者の答えは、

 


①低カロリー・低脂質の食事を続ける

②毎日1時間以上、ウォーキングなどの運動を続ける

③週に1回以上、定期的に体重を量る

④必ず朝食を摂る

⑤平日と週末を問わず、一貫した食事パターンを維持する

 


…当たり前やん!

けどまあ、「当たり前」のことを淡々と続ける…それしかないねんやろなw。

 

 

 

本書のメインの主張は、

「ちょっとくらい太ってても、気にする必要はない」(BMI=27まではダイエットする必要はない)

「痩せすぎの方が問題」

というところから、「ダイエット」という人類が罹っている「病」をどうやって治していくかってところにあります。

「自己実現」と「ダイエット」が結びついてしまっている構図への注意喚起…ってとこでしょうか。

ここら辺、「ボディポジティブ」の流れなんかも出てきてて、後押しもされてると思うんですが、もっと浸透してもいいかな。

(娘なんか見てると、ビリィ・アイリッシュなんかから、そういう影響を受けながら、K-POP関連からは、また別のメッセージって感じでw、ナカナカ複雑そうではあります。

でも一時期の「痩せればいい」って風潮は薄れてきてる気もしますがね)

 


じゃあ、とりあえずダイエットはやめるか〜

…って、そうもいかんのよね。BMI、「27」以上あるもんw。

しかしカロリー制限の仕方やペースは見直しして、「持続性」のある取り組み(「ダイエット」として期間を区切るのではなく、「生活パターン」のなかにカロリー制限を組み込むスタイル)にスライドしようと思います。

摂取カロリーの50%は炭水化物…あたりを考えながら組み立てますかね。

気持ちは「ボディポジティブ」を維持しつつw。

 


#読書感想文

#ダイエットをしたら太ります。

#永田利彦

#ボディポジティブ

思い出せないw:村上RADIO第27回

「Music in MURAKAMI  村上作品に出てくる音楽」。

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村上作品は長編小説は全部読んでるんで、ここで出てくる作品も全部読んでるのは間違いないんですが…。

 


California Girls:風の歌を聴け(○)

Jumping with symphony sid:1973年のピンボール(×)

Danny Boy:世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(×)

激しい雨:世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(○)

ノルウェーの森:ノルウェーの森(○)

The star-crossed lovers:国境の南、太陽の西(×)

Little red corvette:海辺のカフカ(○)

People are strange:ノルウェーの森(×)

 


出てきたのを覚えてるのは半分。(○が覚えてるやつ)

まあ、「ノルウェーの森」は当たり前。

プリンス(Little red corvette)は元々好きだったんで、「海辺のカフカ」を読んだときに引っかかったんですよね。村上さんは出したの忘れちゃってたようですがw。

 


ジャズが好きだった期間が長いので(今も好きですが、そこまで聴かないw)、スタン・ゲッツ(1973年のピンボール)やエリントン(国境の南、太陽の西)は読んだ時に「どんな曲だっけ」と手持ちのアルバムを探したのを思い出しました。持ってなかったけどw。

そういう意味じゃ、SpotifyやApple Musicなんかのサブスクは天国やなぁ。

今の子が羨ましい。

(中古LPをLP屋さんで探すのがいいのよ…なんてことは絶対言わないw)

 


と言うわけで、Spotifyでプレイリストを作ってみました。

村上春樹さんは嫌うだろうなぁ。

あ、ダニー・ボーイはクロスビーでもマヘリア・ジャクソンでもなくて、プレスリーになってますw。

 


https://open.spotify.com/playlist/2PtBNGv4FcKdbaBh1okQYB?si=QkokxQXfQPiadjQ-H55vgg&dl_branch=1

 

 

 

例によってご丁寧な書き起こしのあるHPはこちら。

曲名がチャンと分かるので、助かりますw。

 


https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/