鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

さて、宮崎駿さんはどう見たかな?:映画評「ソウルフル・ワールド」

ピクサーの新作。

ディズニー+の配信で視聴しました。

f:id:aso4045:20210110110824j:image

 

 

いやぁ、こんな話とは全然予想してませんでした。

予告編を見て想像してたのは、

 


「アクシデントで死んじゃった主人公が、生き返るために、生まれることを恐れている<魂>に、<生きることの素晴らしさ>を、音楽を通じて教えて、導いていく」

 


…みたいな。

…全然違ってたw。

 


でも、これはいい映画だと思います。

アニメーション表現としても、この質感は凄い。(世界は美しい!)

そしてその「質感」があってこその、この「テーマ」。

ピクサー版「君たちはどう生きるか」。

宮崎駿さんは、この映画をどう見るのかなぁ。

 


<以下、ネタバレを含みます。観る予定がある方は読まないでください。観る価値はあると思いますよ>

f:id:aso4045:20210110110834j:image

 


「何のために生きるのか?」

「人生で何を成し遂げるのか?」

「生きる目的は何か?」

「価値ある<生>とは何なのか?」

 


…ジャズミュージシャンになりたかった主人公は、そのチャンスを目前にアクシデントによって死んでしまいます。

その悔しさから、蘇ってチャンスを手にすることために悪戦苦闘するのが、本作のメインストーリー。

 


でも人は「何かを成し遂げるため」に生きてるんだろうか?

「何か」を成し遂げなければ、生きる<価値>はないんだろうか?

 


本作はそう問いかけます。

「生きること」そのこと自体に価値があるのではないか、と。

 


50過ぎて、まあ、「何者」かになることはない(少なくともノーベル賞を取ることはなw)おっさんには、沁みますわ、こりゃ。

そして振り返れば、「そうだよな」と感じることも確かです。

「何かを成し遂げる」ってのも、重要ではあるんだけど、そのためだけに「生きてる」わけじゃないだろう、と。

 


…う〜ん、ちょっとうまく説明できないなぁ…w。

 


もちろん世の中にはものすごく苦しい「生」を生きている人もいます。

その人に同じことを言えるかどうか、それは僕にも何とも言えません。

言えないんだけど、「歴史に何も残すことができなかったんだから、あなたの人生は無意味だったんだ」とも言いたくない。

そうだとは思いたくない。

 


アニメ映画なんだけど、全然子供向けじゃない、大人に響く作品です。

中・高校生くらいには見て欲しいけど(僕の子供にも)、分かってもらえるかな〜。

まあ、分かったら、

「将来どうするつもりなんだ、何かやりたいことないのかとか言うなよ!」

って言われそうだけどw。

 


いや、いい映画ですよ。ほんと。