鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ドタバタコメディ色が強まったのに乗れるかどうか:映画評「ハート・オブ・マン」

メル・ギブソン/ヘレン・ハント主演の映画「ハート・オブ・ウーマン」のリメイク版。

ジェーン・スーさんと高橋芳朗さんの対談連載で、こんなの作られてるのを知り、primeVideoで視聴。

 

<【ジェーン・スー&高橋芳朗 ラブコメ映画講座#37『ハート・オブ・マン』】>

https://www.webuomo.jp/culture/101499/?shm-vp=6

 

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「ハート・オブ・ウーマン」はウェルメイドな作りのコメディで、かなり好きな作品なんですよ。

2000年の映画ですから、「最近の映画」みたいな感覚だったんですが、20年経ってるんですね、もう。

最近の傾向だと、リメイクってのもありですか。

 


<以下、若干のネタバレがありますので、観る予定のある方は読まないでください>

 

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もとの映画は、男尊女卑の主人公(メル・ギブソン)が、ふとしたきっかけで女性の心の声が聞こえるようになって…って設定。

リメイクではそれをひっくり返して、男性社会で頑張っているヒロイン(タラジ・P・ヘンソン)が男性の心の声が聞こえるようになる…という設定になっています。

 


ただまあ、リメイクとしてはこの設定のところ以外ではあんまり似た感じはしませんかね。

もとの作品が「女性の心の声を知ることで、主人公自身の考え方も変わってくる」ってとこにポイントがあったのに対して、本作ではヒロインは「男性の心の声」が聞けるようになったからといって、本質的には変わりません。

彼女が「気づき」を得るのは、「能力を失ってから」です。

 


まあ元々男女間の非対称性が社会にあるので、リメイクにする際のそのままひっくり返すだけではテーマ性が歪められてしまう恐れがあるってのはあります。

あるんですけど、個人的にはやっぱり「男性の本音を知って、なんらかの気づきを得る」という構図は欲しかったかなぁ。

そりゃ、「エッチと金」のことしか考えてないのかも知れんけどさw、大半は。

 


作品のトーンとしては「ウェルメイド」感の強かったもとの作品に対して、本作はグッとコメディ色を強く打ち出しています。

というか、「下品」色かな、強くなってるのは?w

これはこれで笑かせてもらいました。

 


「リメイク」と思わずに、「おバカコメディを楽しむ」という風に観てたら、もっと楽しめたかも。

でも個人的には久しぶりに「ハート・オブ・ウーマン」の方を観てみたくなりました。

 


ヘレン・ハント、結構好きだったんですよ。