鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

キャラがイイ。続編が楽しみです。:読書録「ストーンサークルの殺人」

・ストーンサークルの殺人

著者:M.W.クレイヴン 訳:東野さやか

出版:早川書房(Kindle版)

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停職明けの刑事、その刑事の元部下で上司になった女性警部、そして学研肌で度を越した世間知らずの女性分析官。

このトリオがすごく「イイ感じ」なんですよね。

特に「ティリー」という分析官が秀逸で、彼女と主人公が「友達」になる流れが、なんとも…。

シリーズ化されてるらしいんですが、彼女の「その後」を早く読みたいです。

 


事件やその背景はかなり陰惨で、社会的な「闇」を思わせる内容になっています。

途中までは面白いと思いながらも、

「まあ、最近は北欧ミステリーで結構こういうのもあるからなぁ」

と思ったりしてたんですが、終盤の展開にはグッと来ました。

 


主人公のアイデンティティ

「友情」の意味

「正義」をなす代償

 


「英国推理作家協会賞最優秀長篇賞(ゴールド・ダガー)」に相応しい内容です。

 


しかしまあ、「その名を暴け」の後に読むと、「欧米の金持ちってなぁ…」って気分になっちゃいます。

ここまでのことは、チョット日本を舞台にしてはないかなぁ…と。

 


…って、本作は「フィクション」なんですけどねw。