鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「世界史」の穴を埋めるモンゴル帝国:読書録「モンゴル帝国と長いその後」

・興亡の世界史 モンゴル帝国と長いその後

著者:杉山正明

出版:講談社学術文庫(Kindle版)

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「遊牧民から見た世界史」を読んで、ユーラシア大陸での遊牧民国家の重要性に興奮し、「風の谷のナウシカ」の読み直しから<西方>国家への興味も掻き立てられ…ってな感じで手に取った本です。

一番の目的は「モンゴル帝国」。

「遊牧民から見た世界史」は、その前段の方に重心がありましたからね。

 


…なんですけど、本書について言えば、「その後段に重心があり過ぎ」かなw。

「長いその後」のことが延々と語られてますから。

作者の問題意識である、

 


西洋中心から見た「世界史」観では西と東は分断されているが、ユーラシア大陸における遊牧民国家の視点を入れることによって、この分断は埋められ、現代に至るまでの<帝国>のあり方が再解釈される

 


…って観点からは、現代ヨーロッパ・ロシアにつながる意味において<長いその後>の方にこそ意義があるってのは、理解できるんですけどね。

 


とにかく名前が覚えにくくてw、途中からは「まあ、いろいろ大変そうやなぁ〜」って読み飛ばす感じにもなっちゃったんですが、ある意味「ローマ帝国」に通じるような巨大な国家がユーラシアにあって、いくつかの<塊>が、緩いつながりで結ばれながら、歴史の長い時間を<帝国>として存在していた…そういうことが本書によって語られています。

その視線が、<現代>にまで届くってところが、最大のポイントであり、作者の言いたい音なんでしょうね。

 


そういう意味じゃ、興味深く読めた一冊。

ただ個人的には、

「もっと<モンゴル帝国><チンギス・ハーン><クビライ>のことが詳しく知りたい!」

ってフラストレーションもたまっちゃいましたw。

 


…と言う訳で、この路線、もうちょっと追いかける予定。

次は何にしようかな?