鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「ジャズ」映画じゃないなぁ:映画評「坂道のアポロン」

prime videoでおススメされたのは、「MILES AHEAD」「ブルーに生まれついて」と続けてジャズ映画を観たからかなw。

でも本作。

確かに「ジャズ」を題材にはしてるんですが、「ジャズ映画」じゃあないですね。

 

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坂道のアポロン

 

マイルスも、ベイカーも、「ジャズ」という音楽に取り憑かれていて、見方によっては「呪い」を受けているような存在。

その「呪縛」の中から、自分自身の「存在」そのものを削り出すような「音楽=ジャズ」が生まれてくる。

 

まあ、この構図そのものが「ファンタジー」とも言えなくもないですけどw、その後の彼ら(および周辺)の人生の歩みがそれを裏付けてもいます。

 

それに比べるとなぁ。

いかにも薄っぺらなんですよねぇ。

(ジャズバーでのディーン・フジオカのBut Not for Meとかねぇ…。

学祭のセッションは結構良かったと思うんですが)

原作はどうなのか知らないんですが、少なくともこの映画では「葛藤」はあっても、「呪い」は感じられない。(あくまでも「ジャズ」との関係。キャラ設定には結構重いものもあります)

だいたい、土の上を転がり回るような大ゲンカしたくせに、シャツが真っ白…とか、リアリティラインもどうかってとこ、少なくないですからね。

 

とはいえ、「青春ドラマ」と割り切れば、そこまで悪くはないかもしれません。

ちょっとBL風味ありの…w。

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60年代の風景、坂の多い長崎の叙情

BGMとしての「ジャズ」ならば、まあ許容範囲かもw。

 

あ、でもラストの主人公のセリフ。

アレは、あかんかった…w。